ベースアップ評価料の疑義解釈、歯科医院の確認点
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ベースアップ評価料の疑義解釈、歯科医院の確認点

Selectdays CS担当者

厚生労働省は、令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等の特設ページで、2026年6月3日に「疑義解釈資料の送付について(その7)」を追加しました。歯科医院では、歯科外来・在宅ベースアップ評価料などの届出や算定が始まる時期と重なるため、法人単位の提出、賃金改善期間、対象職員の扱いを早めに確認しておく必要があります。

今回の疑義解釈は歯科だけを対象にしたものではありません。ただし、保険医療機関としてベースアップ評価料を届け出る歯科診療所にも共通する取扱いが含まれます。特に複数医院を運営する医療法人や、法人本部で給与・届出を管理している医院では、施設ごとの整合性を崩さないことが重要です。

2026年6月追加の疑義解釈で何を確認するか

今回確認したいのは、点数表の数字そのものではなく、届出と賃金改善の運用です。厚労省の特設ページでは、2026年6月3日に疑義解釈資料の追加が更新履歴に示されており、リンク先の事務連絡では施設基準届出、賃金改善実績報告書、賃金改善の期間などが整理されています。

歯科医院にも関係する論点

歯科医院で関係しやすいのは、歯科外来・在宅ベースアップ評価料を届け出る場合です。算定留意事項通知では、歯科外来・在宅ベースアップ評価料は、対象職員の賃金改善を実施することについて評価したものとされています。つまり、保険請求の項目であると同時に、給与処理や報告書と結びつく制度です。

点数より届出と給与処理が主な確認点

院内でまず見るべきなのは、どの点数を算定するかだけではありません。算定で得た収入をどの職員のどの賃金改善に充てるか、報告時に説明できる資料があるか、所管の地方厚生局へ施設単位で提出できているかが実務上の焦点になります。

法人本部でまとめて届け出られるか

複数の歯科医院を運営する法人では、法人本部が届出書を作成する場面があります。ただし、疑義解釈その7では、施設基準に係る届出を法人本部等でまとめて届け出る扱いは不可とされ、各保険医療機関等から所管の地方厚生局へ届け出る必要があると整理されています。

届出は各保険医療機関から所管局へ

たとえば、同じ医療法人が東京都と神奈川県で歯科医院を運営している場合、法人本部で内容を管理していても、提出先や提出主体は各医院の所在地に応じて確認する必要があります。厚労省の専用メールアドレス一覧でも、都道府県ごとの提出先が示され、医療機関コード等をファイル名に入れる注意が示されています。

実績報告も施設単位で整える

疑義解釈その7では、賃金改善実績報告書や賃金改善中間報告書についても同様の扱いが示されています。法人本部で集計表を作る場合でも、最終的に各医院の算定額、賃金改善額、対象職員、給与台帳との対応関係を施設単位で説明できる状態にしておくことが重要です。

賃金改善期間と算定期間の考え方

ベースアップ評価料では、算定した期間と賃金改善を行う期間の対応が重要です。疑義解釈その7では、ベースアップ評価料の算定期間と賃金改善の実施期間は、原則として一致させる必要があると示されています。

原則は期間を一致させる

たとえば、2026年6月から12月まで算定した収入を、2026年6月から2027年3月までの賃金改善に充てるような期間のずれは、原則として認められません。歯科医院では、算定開始月、給与改定月、賞与や手当の支給月を分けて管理していることがあるため、制度上の対応期間を給与台帳側にも明示しておくと確認しやすくなります。

2026年4月開始の賃金改善は例外に注意

一方で、2026年4月から賃金改善を実施する場合については、2026年6月から2027年5月までにベースアップ評価料で得られた収入を、2026年4月から2027年3月までの賃金改善に充てることは差し支えないと整理されています。4月に先行して昇給や手当を始めた医院は、この例外に当たるかを給与規程や支給実績と照合してください。

対象職員と複数施設勤務の確認

ベースアップ評価料は、対象職員の賃金改善を評価する仕組みです。そのため、誰を対象職員として扱うか、複数施設で働く職員の給与をどう区分するかが、報告時の根拠になります。

新設手当は毎月支払われる給与かを見る

疑義解釈その7では、2026年4月以降に新しく設けた手当にベースアップ評価料による収入を充てる場合について、対象職員に毎月支払われる給与の一部であれば差し支えないと整理されています。臨時的な一時金ではなく、毎月の給与として継続して支払われる性格かどうかを確認しましょう。

複数施設勤務は勤務実態で按分する

同じ職員が複数の保険医療機関で働く場合、疑義解釈その7では、勤務実態に応じて常勤換算などの方法で基本給等総額を按分したうえで区分計算を行う考え方が示されています。歯科医院では、法人内の分院を兼務する歯科衛生士、受付、管理部門職員などが該当し得ます。勤怠記録、勤務予定表、給与台帳を突き合わせ、施設ごとの計算根拠を残しておくと安全です。

歯科医院が今すぐ確認する実務

今回の疑義解釈を受けて、歯科医院は「提出先」「届出主体」「賃金改善の期間」「対象職員」の4点を確認しておくと、後の実績報告で迷いにくくなります。

提出前に見る4つの資料

確認する資料は、厚労省のベースアップ評価料等特設ページ、疑義解釈その7、算定留意事項通知、専用メールアドレス一覧です。歯科技工所ベースアップ支援料を同時に扱う医院は、様式101・102や施設基準通知も別に確認してください。名称が似ていますが、歯科医院職員のベースアップ評価料と、歯科技工所に所属する歯科技工士の賃上げを支援する支援料は、確認すべき書類が異なります。

院内で残しておきたい記録

院内では、届出書の控え、提出メール、対象職員一覧、給与改定の根拠、賃金改善期間、算定収入の集計、複数施設勤務者の按分根拠を保存しておきます。疑義解釈は個別医院の給与規程までは判断してくれないため、実際の支給内容を説明できる資料を残すことが重要です。

よくある疑問

2026年6月追加の疑義解釈は歯科専用ですか

歯科専用ではありません。ただし、保険医療機関としてベースアップ評価料等を届け出る歯科診療所にも関係する論点が含まれます。歯科外来・在宅ベースアップ評価料を算定する医院は確認しておくべき資料です。

歯科技工所ベースアップ支援料と同じ話ですか

同じ令和8年度診療報酬改定の賃上げ関連項目ですが、同じ制度ではありません。歯科技工所ベースアップ支援料は、補綴物等を委託する歯科技工所に所属する歯科技工士の賃金改善を後方から支援する仕組みです。今回の記事は、主に歯科医院自身が届け出るベースアップ評価料等の疑義解釈を扱っています。

患者説明は変える必要がありますか

通常の院内掲示や明細書対応を超えて、患者へ複雑な制度説明を追加する必要性は高くありません。ただし、算定項目について質問された場合に、職員の賃金改善を目的とした診療報酬上の評価であること、国の通知に基づいて届出・算定していることを説明できるようにしておくとよいでしょう。

出典

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について」2026年6月3日更新
  • 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その7_令和8年5月29日事務連絡)(抜粋)」2026年5月29日
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)抜粋」2026年3月5日
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保医発0305第6号)抜粋」2026年3月5日
  • 厚生労働省「ベースアップ評価料等専用メールアドレス一覧」2026年4月23日確認
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