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災害歯科保健医療eラーニングとは?2026年度の対象者と受講方法
2026年4月6日、日本歯科医師会は令和8年度災害歯科保健医療eラーニング基礎編・標準編、アドバンス更新編を開始しました。2026年4月17日時点で確認できる案内では、基礎編と標準編は2027年3月31日まで無料で受講できます。
今回押さえたいのは、対象が歯科医師だけではないことです。日本歯科医師会の災害ページでは、都道府県歯科医師会会員、歯科衛生士、歯科技工士、歯科関係者、都道府県歯科医師会事務局、日本歯科商工協会会員企業関係者が対象とされています。つまり、災害時の歯科支援を現場の一部の担当者だけでなく、地域の歯科関係者全体で学ぶ入口として位置づけられている研修です。
この記事では、日本歯科医師会の案内と厚生労働省の自治体向け資料を基に、2026年度の災害歯科保健医療eラーニングで何を学べるのか、誰がどこまで受けるべきかを整理します。
2026年度の災害歯科保健医療eラーニングで最初に確認したい点
今回の e ラーニングでまず確認したいのは、受講できる期間と対象者です。基礎編と標準編は無料で通年提供される一方、役割に応じて受け方を分けた方が活用しやすい設計になっています。
受講期間は2026年4月6日から2027年3月31日まで
日本歯科医師会の災害ページでは、令和8年度災害歯科保健医療eラーニング基礎編・標準編の受講期間を2026年4月6日から2027年3月31日までと案内しています。受講料は無料です。
重要なのは、災害発生後に急いで探す研修ではなく、平時に計画して受ける研修だという点です。年度内であればいつでも受講できるため、医院の繁忙期を避けて職種ごとに割り振ることができます。防災訓練の時期や地域歯科医師会の研修予定と合わせて受講計画を立てると、学んだ内容を現場へ戻しやすくなります。
対象は歯科医師だけではない
対象者には歯科医師会会員だけでなく、歯科衛生士、歯科技工士、都道府県歯科医師会事務局、歯科関連企業関係者が含まれています。災害歯科保健医療は、診療室で処置する歯科医師だけで完結しないためです。
歯科支援活動、ロジスティクス、行政や地域団体との連携を考えると、歯科衛生士、歯科技工士、歯科医師会事務局、関連企業との連携も欠かせません。自院や所属団体で誰がどの役割を担うのかを考えながら受講対象を決めると、学習が実務につながりやすくなります。
基礎編と標準編の違い
基礎編と標準編は、同じ災害歯科保健医療を扱う研修でも役割が異なります。先に結論を言うと、基礎編は全体像をつかむ入り口、標準編は行政や他機関との接続を学ぶ次段階です。
基礎編は JDAT と災害歯科支援の全体像を学ぶ
基礎編の別紙では、JDAT の目的、災害時の歯科支援活動、ロジスティクス、心理的応急処置、歯科医師会の対応などが講義項目として示されています。総講義時間は約2時間29分です。
内容を見ると、基礎編は「災害歯科保健医療とは何か」「なぜ歯科支援が必要なのか」「現場で誰が何を担うのか」を一通り押さえる構成です。まずは院長、歯科衛生士、技工士、地域支援に関わる担当者など、災害時対応に関わる人が広く受ける入り口として使いやすい内容と言えます。
標準編は自治体や国の災害医療体制との接続を学ぶ
標準編の別紙では、自治体の初動対応、災害時の歯科保健医療、厚生労働省の災害医療体制、警察歯科、海上保安庁歯科活動などが講義項目に挙がっています。総講義時間は約55分で、日本歯科医師会は基礎編受講後の受講を推奨しています。
標準編が基礎編と違うのは、歯科支援を院内だけでなく地域防災と結び付けて理解する点です。災害時に自治体、警察、海上保安庁、厚労省の災害医療体制がどう動くかを学べるため、地域歯科医師会の担当者や、将来 JDAT や地域支援へ関わりたい人は早めに見ておく価値があります。
なぜ今この研修を押さえるべきか
この研修を今年度のうちに押さえるべき理由は、単に新年度版が始まったからではありません。行政側も、災害時の歯科保健医療体制づくりと人材育成を地域の課題として位置づけているためです。
厚労省は自治体に災害時の歯科保健医療体制整備を求めている
厚労省の自治体向け資料では、歯科保健医療施策として、災害時および新興感染症発生・まん延時の歯科保健医療提供体制構築と人材育成が必要と整理されています。つまり、災害歯科保健医療は任意の勉強会ではなく、地域で整えるべき体制の一部です。
この前提に立つと、医院や地域団体が e ラーニングを受ける意味も変わります。自院のための防災教育にとどまらず、地域の歯科支援ネットワークへどう接続するかを考える準備だからです。特に行政や歯科医師会と連携する立場の人ほど、平時から共通言語をそろえておく必要があります。
避難所支援は発災後72時間以降の歯科支援まで視野に入る
日本歯科医師会の災害ページでは、JDAT は2022年3月2日に発足し、発災後おおむね72時間以降の避難所などで緊急歯科保健医療支援を行う組織と説明されています。災害歯科支援は、救命の初動が落ち着いた後の避難所などで必要となる歯科保健医療支援まで視野に入る取り組みです。
そのため、災害歯科保健医療の研修は被災地へ派遣される人だけのものではありません。自院が直接派遣されない場合でも、患者対応、地域連携、物資や人員の調整を支える立場の人が基本を理解しておくことに意味があります。
歯科医院と地域団体の活用ポイント
受講を単発で終わらせないためには、院内や地域団体で役割を決めて活用する必要があります。災害対応は「誰か一人の熱意」に頼ると継続しにくいからです。
まずは基礎編の受講者を院内で決める
最初に進めたいのは、基礎編を受ける人を決めることです。院長だけでなく、歯科衛生士、技工士、地域連携や物資管理に関わる担当者など、災害時の役割を持つ人を洗い出して受講順を決めると動きやすくなります。
医院単位で見ると、次の観点で割り振ると実務へつながりやすくなります。
- 院長や管理者は地域連携と意思決定の観点で受講する
- 歯科衛生士は避難所や地域支援を見据えた歯科保健医療の観点で受講する
- 技工士や物資担当は義歯対応やロジスティクスの観点で受講する
- 外部連絡や物資調整に関わる担当者は基礎知識を共有する
受講後は、停電時の患者情報確認方法、口腔ケア物資の備蓄、地域歯科医師会への連絡先を見直すところまで進めると効果が残ります。
eラーニングと JDAT 標準研修会は分けて考える
日本歯科医師会の災害ページでは、e ラーニングとは別に JDAT 標準研修会の実施要領も掲載されています。このため、将来の派遣登録や中核人材化を目指す場合は、e ラーニング修了だけで十分かを所属の都道府県歯科医師会へ確認した方が安全です。
ここを曖昧にすると、「動画を見たので準備完了」と誤解しやすくなります。実際には、e ラーニングで共通理解を作り、その後に集合研修や地域の訓練へつなぐ流れで考える方が実務に合います。
FAQ
受講料はかかるのか
基礎編と標準編は無料です。日本歯科医師会の災害ページでは、令和8年度の受講料を無料と案内しています。
どちらから受けるべきか
基礎編から受けるのが無難です。日本歯科医師会も標準編は基礎編受講後の受講を推奨しています。まず基礎編で災害歯科支援の全体像を押さえ、その後に標準編で行政や他機関との接続を学ぶ流れが分かりやすいです。
受講後すぐ JDAT 派遣登録できるのか
公開ページ上では一律に明示されていません。日本歯科医師会の災害ページには e ラーニングとは別に JDAT 標準研修会の実施要領も掲載されているため、派遣登録や名簿搭載を目指す場合は、所属の都道府県歯科医師会へ要件を確認してください。
出典
- 日本歯科医師会「歯科医師のみなさま」 https://www.jda.or.jp/dentist/
- 日本歯科医師会「災害時の歯科保健医療、身元確認に関する根拠法等」 https://www.jda.or.jp/dentist/disaster/
- 厚生労働省「自治体における災害時の歯科保健医療」 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001660260.pdf
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