指導歯科医講習会、令和8年度申込前の確認点
日本歯科医師会は、令和8年度の歯科医師臨床研修指導歯科医講習会について実施要領を掲載しています。第1回の受付期間は2026年7月1日から7月31日までで、講習会は2026年10月24日・25日に日本歯科医師会会議室で開催されます。
指導歯科医講習会は、単なる任意研修ではありません。厚生労働省の歯科医師臨床研修制度ページでは、制度が2026年4月1日から一部改正されたこと、同日付で指導歯科医講習会の開催指針が示されたことが確認できます。臨床研修施設や協力型施設では、候補者の要件、申込期間、受講日の診療体制を早めに確認しておきたいところです。
令和8年度の指導歯科医講習会で何を確認するか
まず確認したいのは、申込期間、開催日、定員、受講料です。日本歯科医師会の第1回実施要領では、受付から受講者決定までの流れが具体的に示されています。
2026年7月1日から7月31日までが受付期間
第1回の受付期間は2026年7月1日から7月31日までです。受講希望者はオンライン申込フォームに入力して送信します。第1回と第2回の両方に申し込む場合は、第1希望と第2希望を明記する扱いです。
注意したいのは、受講者決定が単純な先着順ではない点です。JDAの実施要領では、受付終了後に申込者へ乱数を付け、乱数が小さいものから順位を付けて上位から受講内定者とするとされています。院内では、申し込めば確定する前提ではなく、落選時に次回や別候補をどうするかも考えておく必要があります。
第1回は2026年10月24日・25日に開催
第1回は2026年10月24日土曜日と25日日曜日の2日間です。会場は東京都千代田区の日本歯科医師会会議室、定員は40名、受講料は40,700円です。受講料には食費、テキスト代、修了証代、報告書代などが含まれますが、宿泊代は含まれていません。
診療所から候補者を出す場合、10月下旬の土日診療、休日急患対応、研修歯科医の指導体制に影響が出ることがあります。受講内定後に慌てないよう、7月の申込時点で休診、代診、予約枠の扱いを確認しておくと実務が安定します。
誰が対象になるのか
対象者の要件は、臨床経験年数と資格の有無で分かれます。候補者を選ぶ前に、院内で経験年数と資格を確認しておく必要があります。
7年以上の臨床経験が基本
JDAの実施要領では、対象の一つとして「7年以上の臨床経験を有する歯科医師」が挙げられています。厚労省の開催指針でも、指導歯科医の任につく予定者の条件として、7年以上の臨床経験を有する者が示されています。
ここでいう臨床経験について、厚労省の開催指針では、臨床研修を行った期間を含めて差し支えないとされています。経験年数の数え方で迷う場合は、卒後の勤務履歴や研修歴を確認し、申込前に根拠を整理しておくとよいでしょう。
5年以上でも認定医・専門医資格があれば対象
JDAの実施要領では、5年以上の臨床経験を有し、日本歯科医学会専門分科会の認定医・専門医資格を有する歯科医師も対象に含まれます。厚労省の開催指針では、日本歯科専門医機構の歯科専門医、または日本歯科医学会の専門分科会・認定分科会の認定医・専門医資格を有する者が条件として示されています。
つまり、7年以上の経験がない場合でも、5年以上の経験と所定の資格があれば候補になり得ます。資格の名称や認定主体を曖昧にせず、申込前に認定証や登録状況を確認しておくことが重要です。
厚労省の開催指針とどうつながるか
今回の講習会は、JDAのセミナー案内だけで完結する話ではありません。厚労省が示す歯科医師臨床研修制度と開催指針の中で、指導歯科医講習会の位置づけを確認する必要があります。
令和8年4月1日から制度が一部改正
厚労省の歯科医師臨床研修制度ページでは、歯科医師臨床研修制度が2026年4月1日から一部改正されていると案内されています。同ページには、臨床研修に関する省令、施行通知、指導歯科医講習会の開催指針などが掲載されています。
指導歯科医講習会の開催指針についての2026年4月1日付通知では、研修歯科医を指導する臨床研修指導歯科医について、指導歯科医講習会を受講していることが求められると整理されています。施設側は、講習会を候補者個人の研修としてだけでなく、臨床研修体制の整備として捉える必要があります。
講習会はワークショップ形式が前提
厚労省の開催指針では、指導歯科医講習会は参加者主体の体験型研修、いわゆるワークショップ形式で実施されることが前提です。原則として1泊2日以上の2日間以上、実質的な講習時間は16時間以上、一回当たりの参加者数は50名以内とされています。
また、6名から10名までのグループに分かれた討議と発表を重視することも示されています。JDA実施要領の講習内容にも、研修目標、研修方略、研修評価、医療安全管理、周術期等口腔機能管理と退院時カンファレンスなどが含まれており、受講者には単なる聴講ではなく、討議と発表への参加が求められます。
医院が申込前に準備したいこと
申込前の準備は、候補者の選定、診療体制の調整、受講環境の確認に分けると進めやすくなります。特に小規模診療所では、候補者が2日間不在になる影響を先に見積もることが大切です。
候補者と診療体制を先に決める
まず、候補者が対象要件を満たすか確認します。次に、2026年10月24日・25日の診療予定、院内研修、地域歯科医師会の予定、休日診療当番などと重ならないかを確認します。受講内定後に受講料を振り込む流れのため、費用負担を医院が行うのか、個人負担にするのかも決めておくとよいでしょう。
臨床研修施設では、指導歯科医候補が一人だけなのか、複数名を育成するのかでも計画が変わります。研修管理委員会や院長が、今年度に誰を出すか、来年度以降に誰を出すかを整理しておくと、研修体制の継続性を保ちやすくなります。
GoogleアカウントとOffice操作環境を確認する
JDAの参加要件では、ファイル共有・閲覧のためGoogleアカウントを有すること、グループ発表時にPCを使用して発表データを作成するため、Word、Excel、PowerPointの基本操作が行えることが示されています。申込方法でも、gmailアドレスで応募するよう案内されています。
院内の業務用メールだけで普段運用している場合、候補者がGoogleアカウントを持っていないことがあります。また、PC操作に不安がある場合は、講習会当日に困らないよう、事前にOfficeファイルの編集、共有、保存の基本を確認しておくと安心です。
よくある質問
最後に、申込前に誤解されやすい点を整理します。講習会は重要ですが、受講だけで臨床研修体制のすべてが完了するわけではありません。
申し込めば必ず受講できますか
いいえ。JDAの第1回実施要領では定員が40名とされ、受付終了後に乱数を使って順位付けし、上位から受講内定者とする方法が示されています。候補者を出す施設では、落選時の次回申込や別候補の検討も想定しておく必要があります。
講習会修了だけで施設要件は満たせますか
講習会修了は指導歯科医として重要な要素ですが、臨床研修施設として必要な体制は施設ごとに確認が必要です。厚労省の歯科医師臨床研修制度ページには、臨床研修施設の手続き、関係法令・通知、Q&Aが掲載されています。自院の研修プログラム、研修管理委員会、指導体制と合わせて確認してください。
出典
- 日本歯科医師会「令和8年度 歯科医師臨床研修指導歯科医講習会 実施要領(第1回)」 https://www.jda.or.jp/dentist/info/2026_04.html
- 厚生労働省「歯科医師臨床研修制度」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shikarinsyo/index.html
- 厚生労働省「歯科医師の臨床研修に係る指導歯科医講習会の開催指針について」 https://www.mhlw.go.jp/content/001697010.pdf
Selectdays カスタマーサクセス担当
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