
歯科外来・在宅ベースアップ評価料の届出は必要?2026年5月の判断ポイント
2026年5月7日から、令和8年度改定後のベースアップ評価料の届出受付が始まります。歯科診療所に関係するのは歯科外来・在宅ベースアップ評価料ですが、厚生労働省の特設ページでは、特に記載がない限り外来・在宅ベースアップ評価料に含めて案内されています。
今回の実務で厄介なのは、見出しだけ読むと「これまで届け出ていた医療機関も含め、全ての医療機関は5月中に届け出が必要」と見える一方で、既届出医療機関向けのスケジュールPDFには「令和8年度から継続して外来・在宅ベースアップ評価料(I)を算定する場合は提出不要」という注記もあることです。歯科診療所は、タイトルだけで判断せず、スケジュールPDFと無床診療所フローチャートまで読んで区分を決める必要があります。
2026年5月の届出で最初に見るべきこと
2026年6月1日から算定を続ける、または始めるつもりなら、まず届出期間と対象ケースを切り分ける必要があります。
受付期間は2026年5月7日から6月1日必着
厚生労働省の案内と九州厚生局のページでは、届出期間は2026年5月7日(木)から2026年6月1日(月)必着とされています。九州厚生局は、期間前に提出することはできないとも明記しています。つまり、5月上旬のうちに判断材料をそろえ、5月7日以降に送る前提で院内の段取りを組む必要があります。
見出しだけで全院再届出と決めない
厚生労働省の特設ページには「全ての医療機関は5月中に届け出が必要」という強い見出しがあります。一方で、既届出医療機関向けPDFには、外来・在宅ベースアップ評価料(I)を令和8年度から継続算定する場合は提出不要という注記があります。歯科診療所では、この例外注記を読まずに動くと、不要な再提出か、逆に必要な届出漏れのどちらかになりやすい点に注意が必要です。
自院がIのみかIIも必要か
届出要否の判断には、無床診療所向けフローチャートが最も実務的です。
無床歯科診療所の大半はIのみ
無床診療所向けフローチャートでは、ベースアップ評価料(I)のみが「大半の診療所」と整理されています。歯科診療所の多くは、まずIの継続算定か、新たにIを始めるかという分岐から確認する形になります。
IIはIだけでは賃上げ原資が不足する一部の診療所向け
同じフローチャートでは、ベースアップ評価料(I)のみでは賃上げ原資が大きく不足する一部の診療所がIIの対象とされています。IIを使うかどうかで必要様式が増えるため、まず給与改善計画と人件費の見通しを見ながら、自院がIだけで足りるかを整理するのが先です。
必要な様式と提出方法
判断がついたら、次は様式と提出方法です。
無床歯科でまず確認するのは様式95、IIが絡むと96・98
無床診療所向けフローチャートでは、ケースに応じて様式95、様式95・96、様式95・98、様式95・96・98の組み合わせが示されています。Iのみで足りる歯科診療所と、IIまで必要な歯科診療所ではここが変わります。自院の判断を終える前に様式だけ開くと、どのシートを入力すべきか迷いやすいので、フローチャートを先に確認するのが安全です。
訪問看護以外は別添2も必要で、提出は専用メール
北海道厚生局の案内では、訪問看護ステーション以外については、フローチャート上の様式に加えて別添2の届出も必要です。提出は、所管する地方厚生局の専用メールアドレスへExcelファイルを添付して送る方式が原則で、メール本文のURL共有や転送サービスでは受理されません。さらに、自動返信は「メールを受信した」という通知にすぎず、受理完了ではありません。
歯科技工所ベースアップ支援料と混同しない
歯科では名前が似た別制度があるため、ここを混ぜないことが重要です。
歯科外来・在宅ベースアップ評価料は様式95〜100
今回整理しているのは、歯科診療所自身が算定する歯科外来・在宅ベースアップ評価料です。九州厚生局でも、これは外来・在宅ベースアップ評価料の案内を参照するよう示されています。
歯科技工所ベースアップ支援料は様式101〜102
北海道厚生局は、歯科技工所ベースアップ支援料について、今回の歯科外来・在宅ベースアップ評価料とは別項目だと明記しています。技工所支援料を扱う場合は様式101〜102を使うため、院内ではファイル名や担当者まで別案件として分けた方が安全です。
歯科医院が5月中にやること
5月の実務は、提出そのものより、提出要否を早く固めることが先です。
算定区分と提出要否を院内で確定する
まずは、2026年5月まで何を算定していたか、2026年6月から何を算定したいか、Iだけで足りるか、IIが必要かを一枚に整理します。そのうえで、既届出医療機関向けPDFの例外注記と、無床診療所フローチャートの該当ルートを突き合わせるのが実務的です。
8月報告まで見据えて記録の置き場を決める
今回の届出で終わりではありません。スケジュールPDFでは、8月に賃金改善実績報告書と賃金改善中間報告書の提出が続きます。5月の時点で、賃上げ実績、対象職員、差額計算の記録をどこに残すかまで決めておくと、夏の報告で慌てにくくなります。
FAQ
Iだけを継続している歯科診療所も再届出が必要?
厚生労働省の大見出しや地方厚生局ページだけを見ると再届出が必要に見えますが、既届出医療機関向けPDFには外来・在宅ベースアップ評価料(I)を令和8年度から継続して算定する場合は提出不要という注記があります。実務上は、無床診療所フローチャートと該当PDFの両方を確認し、迷う場合は所管厚生局へ確認するのが安全です。
6月から初めて算定したい場合の締切は?
厚生労働省の新規算定向けPDFでは、2026年6月から算定するには2026年5月7日から2026年6月1日必着での届出が必要と示されています。
自動返信メールが来たら受理完了?
いいえ。北海道厚生局は、自動返信は受理ではないと明記しています。送信控えと添付ファイルを残しつつ、受理状況の確認方法も所管局の案内に合わせて把握しておく必要があります。
出典
Selectdays CS担当者
Selectdaysの実運用のサポートを担当しています。店舗のDX化に関するお悩み解決のノウハウを発信します。
