
歯科外来・在宅ベースアップ評価料、8月報告で確認する様式100
厚生労働省は2026年6月18日、ベースアップ評価料の届出様式である様式95-100を更新しました。さらに2026年6月19日には、令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正文書も掲載されています。
歯科医院で確認したいのは、届出様式の差し替えだけではありません。歯科外来・在宅ベースアップ評価料を算定する医院では、各年8月に提出する様式100「賃金改善実績報告書」「賃金改善中間報告書」に向けて、給与資料、対象職員、歯科初診・再診・訪問診療の算定回数を追える状態にしておく必要があります。
この記事では、通知・様式更新を歯科医院の報告実務に置き換え、8月報告で確認したい項目を整理します。
3行要約
- 様式95-100が2026年6月18日に更新され、歯科外来・在宅ベースアップ評価料の報告実務では様式100の確認が重要になります。
- 様式100では、実績報告書と中間報告書、賃金改善実施期間、対象職員、基本給等総額などを取り違えないことが必要です。
- 8月直前にまとめて作るのではなく、6月分から給与資料と算定回数を月次で残す体制にしておくと安全です。
今回の様式更新で変わった確認ポイント
今回の更新は、単なるExcelファイルの差し替えとして扱うと見落としが出ます。歯科医院では、届出時に使う様式だけでなく、算定後の8月報告までを一連の実務として確認する必要があります。
様式95-100の最新版を使う
厚労省のベースアップ評価料特設ページでは、医療機関用の「ベースアップ評価料届出様式(様式95-100)」が2026年6月18日更新として掲載されています。歯科医院では、手元に保存している旧ファイルを使っていないかをまず確認します。
特に、法人内で複数医院を管理している場合や、以前の届出ファイルを流用している場合は注意が必要です。更新後の様式で入力項目、別添、注意書きがどうなっているかを確認してから作業します。
様式100は8月報告の入口になる
様式100は、看護職員処遇改善評価料、外来・在宅ベースアップ評価料、歯科外来・在宅ベースアップ評価料、入院ベースアップ評価料に関する報告書です。歯科医院では、届出が終わった後も、8月に賃金改善の取組状況を報告する前提で資料を残す必要があります。
届出時点で「8月に何を出すか」を確認しておくと、給与担当者とレセプト担当者の作業をつなげやすくなります。
対象となる歯科医院
対象になるのは、歯科外来・在宅ベースアップ評価料を算定する歯科医院です。算定していない医院まで一律に様式100を提出するという話ではありません。
外来・在宅ベースアップ評価料の案内も読み飛ばさない
厚労省の特設ページでは、特に記載がない限り「歯科外来・在宅ベースアップ評価料」は「外来・在宅ベースアップ評価料」に含まれると説明されています。ページ見出しが医科向けに見える場合でも、歯科診療所は該当箇所を確認する必要があります。
自院が歯科外来・在宅ベースアップ評価料Iのみを算定するのか、IIも関係するのかによって、確認する様式や計算項目は変わります。まず自院の届出・算定状況を確認します。
訪問診療を行う医院は算定回数の区分に注意する
様式96側の計算では、歯科初診料等、歯科再診料等、歯科訪問診療料の算定回数が関係します。訪問診療を行う医院では、歯科訪問診療料の同一建物以外・同一建物の区分も確認対象になります。
レセコンの月次集計が、様式の区分と同じ形で出せるとは限りません。6月分の段階で一度集計し、様式へ転記できるかを試しておくと8月の作業が軽くなります。
様式100で取り違えやすい項目
様式100は、賃金改善を実施したかどうかだけを書く書類ではありません。報告書の種類、年度、賃金改善実施期間、対象職員、基本給等総額などを整理して入力する構造です。
実績報告書と中間報告書を分ける
様式100では、提出書類として「賃金改善実績報告書」と「賃金改善中間報告書」を選ぶ構成です。様式95・96の誓約欄にも、毎年8月に前年度の賃金改善の取組状況を実績報告書で、算定年度の取組状況を中間報告書で報告する趣旨が示されています。
実務では、報告対象年度、賃金改善実施期間、ベースアップ評価料算定期間を混同しないことが重要です。給与計算期間と診療報酬の算定期間がずれる医院では、どの月の給与をどの報告に使うかを事前に決めておきます。
対象職員と基本給等総額を月次で確認する
歯科診療を主とする病院・診療所では、歯科衛生士の基本給等総額に関する項目が実務上の確認点になります。歯科助手、受付・事務職員、勤務歯科医師など、医院ごとの職種と給与体系も整理が必要です。
給与台帳、賃金規程、手当の支給根拠、賃金改善を行った月の一覧は、8月報告時の確認材料になります。提出時の添付有無とは別に、後から説明できる状態にしておくことが重要です。
必要書類・提出先で確認すること
ベースアップ評価料は、届出、算定、報告が連続する制度です。届出が受理された時点で終わりではなく、算定後に賃金改善の実績を示せるかが次の論点になります。
院内で残す資料
歯科医院では、少なくとも最新版の様式95-100、提出済み届出ファイル、給与資料、対象職員一覧、算定回数の月次集計、様式100の作成担当を整理しておきます。複数医院を持つ法人では、施設単位と法人単位の集計を混ぜないことも重要です。
提出メール、控え、補正連絡も同じフォルダで管理すると、8月報告や後日の確認に対応しやすくなります。
地方厚生局の提出方法を確認する
厚労省の特設ページでは、ベースアップ評価料等の届出は、原則として管轄する地方厚生局の都道府県事務所ごとに設定された専用メールアドレスへExcelファイルを提出する形で案内されています。ただし、実際の受付方法や補正連絡は管轄先の案内も確認が必要です。
様式更新後に古いファイルを使っていないか、提出先メールアドレスを間違えていないか、送信後の自動返信を受理完了と誤解していないかを確認します。
実務対応チェックリスト
- 2026年6月18日更新後の様式95-100を最新版として保存する。
- 自院が算定する歯科外来・在宅ベースアップ評価料の区分を確認する。
- 様式100の実績報告書と中間報告書の違いを確認する。
- 6月分から給与資料、対象職員、基本給等総額を月次で残す。
- 歯科初診料等、歯科再診料等、歯科訪問診療料の算定回数を月次で集計する。
- 管轄地方厚生局の提出先、提出方法、補正連絡の扱いを確認する。
注意点
届出完了と報告完了は別です。様式95・96を提出して算定できる状態になっても、8月報告に必要な給与資料や算定回数が残っていなければ、後から確認に時間がかかります。
患者説明より院内管理のテーマ
ベースアップ評価料は、患者向けに詳しく説明する場面が多い制度ではありません。歯科医院内では、患者説明よりも、給与担当、レセプト担当、院長、事務長の間で資料管理をそろえることを優先します。
今後の追加情報を確認する
今後は、厚労省が様式100の記載例や追加Q&Aを出すか、地方厚生局が提出方法や補正対応を更新するかを確認します。8月直前にまとめて作業するのではなく、6月診療分から報告に使える記録を残す体制に切り替えておきます。
FAQ
すべての歯科診療所が様式100を提出しますか。
いいえ。歯科外来・在宅ベースアップ評価料を算定する医院では、毎年8月の賃金改善実績報告書・中間報告書が関係します。一方、算定していない医院まで一律に様式100を提出するという話ではありません。
まず何から始めればよいですか。
まず2026年6月18日更新後の様式95-100を最新版として保存し、自院が算定する評価料と必要様式を確認します。そのうえで、6月分から給与資料と算定回数を月次で残す管理表を作るのが実務的です。
患者向けに説明する必要がありますか。
基本的には院内事務、給与、診療報酬報告のテーマです。患者向け説明よりも、対象職員、賃金改善、算定回数、報告資料の管理を優先します。
出典
- [1] 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
- [2] 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について」
- [3] 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について」2026年6月19日
- [4] 厚生労働省「ベースアップ評価料届出様式(様式95-100)」2026年6月18日更新
Selectdays カスタマーサクセス担当
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