
歯科診療所の経営臨時調査、11月10日締切
厚生労働省は2026年9月14日、「令和8年度医療機関等の経営状況に係る臨時調査」の対象施設向け案内を公開しました。調査協力依頼状が届いた歯科診療所は、2026年11月10日までに専用サイトから電子回答します。
全ての歯科診療所が対象ではありません。約12,000施設が無作為抽出され、2026年4月の実施案では歯科診療所の抽出率は30分の1です。まず郵送物の有無を確認し、対象なら院長、経理、労務、請求担当で分担を決めます。
回答では2025年6〜9月と2026年6〜9月の経営数値を比較します。この記事では、現在の実施案内と中医協の承認資料を基に、歯科医院が先にそろえたい資料と注意点を整理します。
3行要約
- 2026年度改定後の経営状況を調べる臨時調査が始まり、提出期限は2026年11月10日です。
- 対象は無作為抽出された施設で、全歯科診療所への一律調査ではありません。
- 対象医院は、2025年・2026年の6〜9月の損益、人員、ベースアップ評価料などを担当別に集めます。
歯科診療所の経営状況臨時調査とは
今回の調査は、2026年度診療報酬改定後の医業経営の実態を把握するための一般統計調査です。病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局のうち、抽出された施設へ調査協力依頼状が送られます。
全歯科医院ではなく抽出された施設が対象
厚生労働省の案内では、対象施設は層化無作為抽出で選ばれ、全体で約12,000施設とされています。中医協が4月8日に承認した実施案では、歯科診療所の抽出率は30分の1です。
したがって、医院が最初に行うことは「調査協力依頼状が届いているか」の確認です。厚労省ページを見ただけで、全医院が自主的に回答する調査ではありません。
診療報酬の届出や立入検査ではない
本件は診療報酬の新しい施設基準届出ではなく、経営状況を集計する統計調査です。調査報告の秘密は保持され、調査票は集計して結果を得るためだけに使われると案内されています。
提出期限は11月10日、回答は電子方式
提出期限は2026年11月10日です。調査対象施設専用サイトは9月14日に開設され、依頼状に記載されたIDとパスワードでログインします。
Web版とExcel版から選ぶ
電子調査票はWeb版とExcel版が案内されています。Web版は専用ソフトが不要で、遠隔地から共有しやすい方式です。Excel版はファイルをダウンロードして入力・確認し、専用サイトから提出します。
どちらを選ぶ場合も、入力者と最終確認者を分け、提出前の控えを残す運用が安全です。ログイン情報はメールや共有チャットへ安易に転載せず、院内の管理ルールに沿って扱います。
紙提出ではなく電子回答が前提
中医協の承認時資料では、集計期間が短いため、今回はホームページを利用した電子調査方式とし、従来の調査で選択肢にあった紙提出を採用しない方針が示されています。操作に迷う場合は、案内に記載された調査事務局へ確認します。
歯科診療所が集める2期間の資料
調査対象時期は、2025年6〜9月と2026年6〜9月の2期間です。単月ではなく各4か月分を同じ基準で並べるため、経理方式や科目区分を先に確認する必要があります。
損益は収益と費用を同じ区分で比較する
中医協承認時の歯科診療所調査票案では、保険診療収益、労災等診療収益、その他の診療収益、医業・介護費用、給与費、医薬品費、歯科材料費、委託費などを2期間で記入する構成です。
特に、歯科材料費と医薬品費を日常の会計でまとめている場合や、法人全体で経理して医院別数値を持っていない場合は、税理士や本部経理へ早めに相談します。推計が必要なときは、独自の判断で埋めず、専用サイトの最終版調査票・記入要領と事務局案内に従ってください。
歯科技工委託費とベースアップ評価料も確認する
調査票案では、委託費の内訳として歯科技工委託費が設けられています。また、2026年9月30日現在の歯科外来・在宅ベースアップ評価料について、算定の有無と(Ⅰ)のみか、(Ⅰ)・(Ⅱ)の両方かを答える項目があります。
経理担当だけでは算定区分を判断できないことがあるため、請求担当がレセコンや届出控えを確認し、経理数値と突き合わせます。
前回案内から確定したこと
4月8日の中医協承認時点では、調査票を9月中旬に配布し、回答期限を11月上旬、結果報告を11月下旬とする計画でした。9月14日の案内で、専用サイトと電子回答手順が公開され、期限が11月10日と具体化しました。
調査は実施段階へ移った
項目 | 4月8日の承認時 | 9月14日の案内 | 医院の対応 |
|---|---|---|---|
回答期限 | 11月上旬 | 11月10日 | 院内締切を前倒しで設定 |
回答方式 | 電子調査方式 | Web版・Excel版を案内 | 入力方式と担当者を決定 |
対象確認 | 抽出率を提示 | 依頼状到着後に専用サイトを利用 | 郵送物とIDを確認 |
結果 | 11月下旬を目標 | 未公表 | 後続の中医協資料を確認 |
結果公表と政策対応はまだ別の話
調査結果の報告は11月下旬が目標です。ただし、調査が始まったことだけをもって、追加の補助、診療報酬の再改定、個別医院への支援が決まったとはいえません。結果と政策判断は分けて確認する必要があります。
院内で進める回答準備チェックリスト
- 調査協力依頼状の到着と、対象施設名・IDを確認する
- 11月10日より前に院内締切を設定する
- 2025年6〜9月と2026年6〜9月の試算表・総勘定元帳を用意する
- 給与費、賞与、法定福利費、歯科材料費、歯科技工委託費を区分できるか確認する
- 2025年・2026年の9月30日時点の職員数を確認する
- 歯科外来・在宅ベースアップ評価料の算定区分を請求担当が確認する
- Web版かExcel版を選び、入力者と最終確認者を分ける
5営業日で終える確認順
- 1日目: 事務長が依頼状、期限、回答方式を確認する
- 2日目: 経理担当が2期間の収益・費用資料を抽出する
- 3日目: 労務担当が職員数・賞与・引当金を確認する
- 4日目: 請求担当がベースアップ評価料、院長が医院情報を確認する
- 5日目: 入力者とは別の確認者が数値と単位を照合し、提出する
この順番は院内分担の例です。最終的な回答項目と入力方法は、依頼状とログイン後の調査票・記入要領を優先してください。
医療施設静態調査と混同しない
同じ時期に「令和8年医療施設静態調査」も進んでいますが、今回の経営状況臨時調査とは別です。前者は全医療施設の施設・人員・診療機能を調べる基幹統計、後者は抽出施設の経営状況を調べる一般統計です。
郵送物の調査名を最初に確認する
医院に複数の調査票が届く可能性があるため、封筒や案内状の調査名、提出期限、ログイン先を混ぜないようにします。「医療機関等の経営状況に係る臨時調査」の専用サイトは、依頼状に記載されたID・パスワードで利用します。
4月の調査票は案、最終版は専用サイトで確認
この記事で準備項目の根拠にした歯科診療所調査票は、2026年4月8日に中医協へ示された承認時の案です。ログイン後の最終版に変更がある可能性があるため、実際の回答では専用サイトに表示される調査票と記入要領を優先してください。
FAQ
全ての歯科診療所が回答するのですか
いいえ。対象は層化無作為抽出で選ばれた施設です。調査協力依頼状が届いているかを確認してください。実施案での歯科診療所の抽出率は30分の1です。
提出期限はいつですか
2026年11月10日です。院内確認や修正の時間を確保するため、数営業日前に院内締切を置くと進めやすくなります。
どの期間の経営数値を回答しますか
2025年6〜9月と2026年6〜9月の2期間です。損益項目の区分は、専用サイトの最終版調査票と記入要領に従います。
調査結果で補助金や再改定が決まりますか
現時点では決まっていません。調査は経営状況を把握するためのもので、結果報告は11月下旬が目標です。具体的な政策対応は後続の正式資料で確認します。
出典
- 令和8年度医療機関等の経営状況に係る臨時調査について|厚生労働省|2026年9月14日
該当箇所: 調査目的、抽出対象、専用サイト - 調査対象施設の方々へ|厚生労働省・中央社会保険医療協議会|2026年9月14日
該当箇所: p.1、約12,000施設、一般統計調査、秘密保持 - ホームページ及び電子調査票のご案内|厚生労働省|2026年9月14日
該当箇所: p.1〜4、11月10日、Web版・Excel版 - 令和8年度医療機関等の経営状況に係る臨時調査の実施案|中央社会保険医療協議会|2026年4月8日
該当箇所: p.1〜2、対象期間、抽出率、集計項目 - 第649回中央社会保険医療協議会総会議事録|厚生労働省|2026年4月8日
該当箇所: 調査実施案の承認、電子調査方式 - 令和8年度医療機関等の経営状況に係る臨時調査 調査票(案)|中央社会保険医療協議会|2026年4月8日
該当箇所: p.12〜13、歯科診療所の基本データ・損益項目
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