
電子的歯科診療情報連携体制整備加算、疑義解釈その6の要点
2026年5月22日、厚生労働省の令和8年度診療報酬改定ページに「疑義解釈資料の送付について(その6)」が掲載されました。歯科医院にとっての要点は、電子的歯科診療情報連携体制整備加算について、医科側の電子的診療情報連携体制整備加算で示された取扱いと同様であることが明示された点です。
この加算は2026年6月1日からの改定対応に関係します。算定を検討する歯科医院は、歯科の設問だけでなく、参照されている医科側の疑義解釈、施設基準届出、院内掲示・ウェブサイト掲示、オンライン資格確認などの運用体制をセットで確認する必要があります。
この記事では、疑義解釈その6の読み方と、歯科医院が届出前に見るべき実務ポイントを一次情報ベースで整理します。
疑義解釈その6で何が示されたか
疑義解釈その6は、新しい点数を追加する資料ではなく、令和8年度診療報酬改定の取扱いを確認するための事務連絡です。歯科では電子的歯科診療情報連携体制整備加算が取り上げられています。
掲載日は2026年5月22日、事務連絡日付は2026年5月21日
厚生労働省の令和8年度診療報酬改定ページでは、疑義解釈その6が2026年5月22日掲載の資料として並んでいます。一方、PDF本文の事務連絡日付は2026年5月21日です。
記事や院内メモで日付を扱うときは、「掲載日」と「事務連絡の日付」を分けておくと混乱を避けられます。実務上は、2026年6月1日の改定施行前に追加された確認資料として扱うのが自然です。
歯科も医科側の取扱いと同様と明示された
疑義解釈その6の歯科診療報酬点数表関係では、電子的歯科診療情報連携体制整備加算について、これまで医科側の電子的診療情報連携体制整備加算で示されてきた疑義解釈と同様の取扱いになるかが問われています。回答は「そのとおり」です。
つまり、歯科医院は歯科の1問だけを読んで終えるのではなく、参照されている医科側の疑義解釈も確認する必要があります。特に、施設基準、掲示、ウェブサイト、オンライン資格確認等の体制、マイナ保険証利用率に関係する論点は、院内運用に落とし込む前に確認しておきたい部分です。
電子的歯科診療情報連携体制整備加算とは
電子的歯科診療情報連携体制整備加算は、令和8年度診療報酬改定で新設された医療DX関連の評価です。歯科医院がICTやオンライン資格確認等を使い、診療情報を確認・活用できる体制を整えることが前提になります。
初診時と再診時の評価として新設された
厚生労働省の令和8年度診療報酬改定概要では、電子的歯科診療情報連携体制整備加算について、初診時の加算1・2が9点・4点、再診時が2点と示されています。これは、医療DXやICT連携を活用する医療機関等の体制評価の一部です。
点数だけを見ると小さく見えるかもしれませんが、実務では施設基準、届出、院内掲示、ウェブサイト掲示、情報閲覧・活用体制など複数の確認が絡みます。レセコンの算定設定だけで完了する話ではありません。
医療DX推進体制整備加算とは別に見直す
令和8年度改定では、医療DX関連施策の進捗を踏まえ、従来の医療DX推進体制整備加算や医療情報取得加算が整理され、新しい評価が設けられています。歯科では電子的歯科診療情報連携体制整備加算がその確認対象になります。
このため、令和6年度改定時の医療DX推進体制整備加算の資料をそのまま使い続けるのは危険です。2026年6月1日以降の算定に向けて、令和8年度改定の資料、疑義解釈、地方厚生局の届出様式に更新して確認する必要があります。
届出前に医院が確認すること
電子的歯科診療情報連携体制整備加算を算定するには、制度理解だけでなく施設基準届出の実務確認が必要です。特に2026年6月1日算定を目指す場合は、日付と届出先を曖昧にしないことが重要です。
2026年6月1日算定には施設基準届出が必要
厚生労働省の施設基準届出チェックリストでは、電子的歯科診療情報連携体制整備加算1・2が、2026年6月1日届出期限の新設項目として掲載されています。チェックリストは自院の対象項目を洗い出すために有用ですが、それ自体を提出しても施設基準を届け出たことにはなりません。
医院では、チェックリストで対象を確認したうえで、所管の地方厚生局ページにある正式な届出様式を確認します。院内では「チェックリスト確認済み」と「正式な届出提出済み」を別ステータスで管理した方が安全です。
既存の医療DX推進体制整備加算の届出だけでは足りない
関東信越厚生局の届出一覧では、電子的歯科診療情報連携体制整備加算1・2は歯科初・再診料に係る届出として掲載されています。あわせて、令和6年度診療報酬改定における医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている医療機関でも、令和8年6月1日以降に本加算を算定するには改めて届出が必要と案内されています。
ここは実務上の見落としやすい点です。過去に医療DX関連の届出をした医院でも、「前に出しているから大丈夫」と判断せず、今回の加算1・2について届出様式と添付資料を再確認する必要があります。
疑義解釈を読むときの注意点
今回の疑義解釈は、歯科向けの回答が短いぶん、参照先を追う力が求められます。歯科の1問だけを院内共有すると、必要な前提が抜ける可能性があります。
歯科の設問だけで終わらせない
疑義解釈その6の歯科部分は、医科側の複数の疑義解釈を参照したうえで、電子的歯科診療情報連携体制整備加算にも同様の取扱いが及ぶかを確認しています。したがって、実務担当者は「歯科も同様」という結論だけでなく、何が同様なのかを参照資料で確認する必要があります。
院内共有では、疑義解釈その2、その4、その5、その6のうち、電子的診療情報連携体制整備加算に関係する設問を一覧化すると確認しやすくなります。必要に応じて、掲示、ウェブサイト、マイナ保険証利用率、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスなどの項目別にチェック欄を作ると実務に落とし込みやすくなります。
所管厚生局の様式と電子申請対応を確認する
地方厚生局のページでは、令和8年度診療報酬改定に係る届出一覧や様式が更新されています。関東信越厚生局では歯医DX1・歯医DX2の届出様式が掲載され、東海北陸厚生局では施設基準の一部について電子申請が2026年5月25日から利用開始と案内されています。
ただし、電子申請を使えることと、院内資料の準備が不要になることは別です。提出前には、所管厚生局の対象様式、受付方法、電子申請の対象範囲、添付資料の有無を確認し、締切直前に不足が出ないようにしておく必要があります。
FAQ
疑義解釈その6だけ読めば十分か
十分とはいえません。疑義解釈その6の歯科部分は、医科側の電子的診療情報連携体制整備加算に関する過去の疑義解釈を参照しています。歯科も同様の取扱いとされたため、参照先の医科側Q&Aも確認する必要があります。
電子申請なら紙の準備は不要か
電子申請を使える場合でも、施設基準を満たしているかの確認、様式入力、添付資料、院内掲示やウェブサイト掲示の整備は別途必要です。東海北陸厚生局は2026年5月25日から一部電子申請の利用開始を案内していますが、実際の対象範囲は所管厚生局ページで確認してください。
患者説明では何を伝えるべきか
患者には、医療DXや診療情報連携体制を整えた歯科医院に対する診療報酬上の評価であることを、過度な効果表現を避けて説明するのが基本です。点数や自己負担に関する説明は、院内掲示や明細書の内容と食い違わないように統一しておく必要があります。
今後の見通し
2026年6月1日の改定施行に向け、今後も疑義解釈や地方厚生局の届出案内が追加・更新される可能性があります。電子的歯科診療情報連携体制整備加算を算定する医院は、疑義解釈と届出ページを別々に見るのではなく、同じチェックリストで管理するのが実務的です。
次に確認したい一次情報
次に見るべき資料は、厚生労働省の令和8年度診療報酬改定ページに追加される疑義解釈、所管厚生局の届出様式更新、電子申請の対象範囲、日歯や都道府県歯科医師会の公開周知です。特に、2026年6月1日算定を予定している場合は、提出直前に所管厚生局ページで様式と受付方法を再確認してください。
出典
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その6)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001702914.pdf
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 全体概要版」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001666312.pdf
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 歯科」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001666322.pdf
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリストの一部訂正について」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001697773.pdf
- 関東信越厚生局「基本診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定)」 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/kihon_shinryo_r08.html
- 東海北陸厚生局「令和8年度診療報酬改定」 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/gyomu/gyomu/hoken_kikan/shinryouhousyuukaiteinituite_r8_00001.html
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