歯科用貴金属9月改定、金パラ確認点
厚生労働省は2026年7月22日、中央社会保険医療協議会総会(第653回)の資料として「歯科用貴金属価格の随時改定について」を掲載しました。資料では、2026年9月随時改定の告示価格案が示されています。
歯科医院にとって重要なのは、今回の資料を「すぐ算定を変える通知」ではなく、「告示・通知とレセコン更新を待って確認する価格案」として扱うことです。金銀パラジウム合金などを使う補綴症例がある医院では、9月診療分の請求前に、材料価格、レセコン表示、受付説明を同じ順番で確認できるようにしておきましょう。
この記事では、歯科用貴金属の9月改定案で見るべき数字と、医院内での確認順を整理します。
3行要約
- 中医協第653回で、2026年9月随時改定の歯科用貴金属告示価格案が示されました。
- 金銀パラジウム合金(金12%以上JIS適合品)は、2026年6月通常改定の1g当たり5,746円から、9月案では5,232円です。
- 現時点では案のため、医院では告示・通知、歯科診療行為マスター、レセコン更新を順に確認します。
歯科用貴金属9月改定案で変わること
今回のポイントは、歯科用貴金属価格の随時改定で、2026年9月の告示価格案が示されたことです。随時改定は、平均素材価格に応じて、診療報酬改定時以外にも価格を見直す仕組みです。
対象は金パラ、14カラット金合金、銀合金など
中医協資料の表では、14カラット金合金、金銀パラジウム合金、銀合金、銀ろうなどの項目について、2026年6月通常改定価格、平均素材価格、2026年9月随時改定の告示価格案が並んでいます。各項目は1g当たりの価格です。
歯科医院では、すべての患者に同じ影響が出るわけではありません。保険診療で該当材料を使う補綴症例があるか、装着日がどの診療月になるか、レセコン上の材料料がどの時点で更新されるかを分けて確認します。
現時点では告示価格案として扱う
資料に示されているのは「告示価格案」です。したがって、院内周知では「9月改定案が示された」と表現し、正式な告示番号、通知、適用開始日の明記は後続資料で確認するのが安全です。
患者説明でも、価格案の段階で個別負担額を断定しないようにします。実際の負担は診療内容、使用材料、診療日、負担割合、告示後の点数反映で変わります。
前回との差分は6月通常改定との比較で見る
2026年9月随時改定案は、2026年6月通常改定価格との比較で確認します。補綴を扱う医院では、金パラ関連だけでなく、金合金や銀合金も含めて院内の材料価格表を見直す準備が必要です。
主な告示価格案のBefore / After
項目 | 2026年6月通常改定 | 2026年9月随時改定案 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
歯科鋳造用14カラット金合金 インレー用 | 16,789円 | 15,871円 | 金合金を扱う補綴症例の材料料を確認 |
歯科鋳造用14カラット金合金 鉤用 | 16,954円 | 16,036円 | 義歯関連の算定・技工指示と照合 |
歯科鋳造用金銀パラジウム合金 | 5,746円 | 5,232円 | 金パラ補綴のレセコン表示を重点確認 |
歯科用金銀パラジウム合金ろう | 8,250円 | 7,770円 | 技工所との材料区分の確認に使う |
歯科鋳造用銀合金 第2種 | 414円 | 383円 | 使用頻度が低くても院内表から漏らさない |
歯科用銀ろう | 353円 | 335円 | 対象項目の有無を請求担当が確認 |
表の金額は中医協資料に示された1g当たりの価格です。医院で使う点数や患者負担額とはそのまま一致しないため、レセコン更新後の表示と請求画面で最終確認します。
歯科医院での影響は補綴と会計で分ける
歯科用貴金属の9月改定案は、補綴の材料管理と受付会計の両方に関係します。院長だけで把握するより、請求担当、受付、補綴担当が同じ前提で説明できる状態にすることが重要です。
補綴症例では診療月と材料区分を見る
まず、9月前後に装着予定の補綴症例を確認します。金銀パラジウム合金なのか、金合金なのか、銀合金なのかで確認する項目が変わります。診療日や装着日を基準にするかどうかは、正式な通知とレセコン更新後の運用案内を見て判断します。
技工指示書や院内の補綴予定表に材料名を略称だけで書いている場合は、請求担当が中医協資料の項目名と照合しにくくなります。金パラ、銀合金、ろう材など、院内で使う略称と正式項目名を対応させておくと確認が速くなります。
患者説明は医院独自の価格変更と混同させない
受付で質問を受ける可能性がある医院では、説明文を短く統一します。たとえば「国の歯科用貴金属価格の見直しにより、保険診療の一部材料料が変わる場合があります。個別の負担額は診療内容と負担割合により会計時に確認します」と共有しておくと、断定を避けながら説明できます。
今回の資料段階では、患者に「必ず安くなる」「この日からこの金額になる」と説明するのは避けます。告示・通知とレセコン反映を確認してから、実際の診療内容に即して伝えます。
歯科用貴金属9月改定に向けた院内チェックリスト
- 2026年9月随時改定の正式告示・通知が出たか確認する。
- 歯科診療行為マスターの更新資料で、対象材料料と適用診療月を確認する。
- レセコンベンダーの更新日、更新対象、手動操作の有無を確認する。
- 9月前後の金パラ、14カラット金合金、銀合金の補綴症例を一覧化する。
- 院内の材料価格表、補綴チェック表、受付説明文を更新候補として用意する。
- 会計時の患者質問には、告示後の保険点数に基づくことを説明する。
担当者を3つに分ける
院長は正式資料と院内方針、請求担当はレセコンと診療行為マスター、受付は患者説明を担当します。1人がすべて確認するより、資料確認、入力確認、説明確認を分けたほうが漏れを減らせます。
9月診療分の請求前に再点検する
価格案が示された時点と、実際に請求する時点には時間差があります。正式な告示・通知、マスター更新、ベンダー更新案内がそろった段階で、9月診療分の請求前チェックとして再点検するのが現実的です。
注意点は「価格案」と「請求実務」を分けること
中医協資料は重要な先行情報ですが、医院の請求実務では、告示、通知、マスター、レセコン反映を順に確認する必要があります。価格案だけで個別請求や患者負担を判断しないことが注意点です。
算定可否や届出要否を変える資料ではない
今回の資料は歯科用貴金属価格の随時改定に関するものであり、施設基準の届出要否や新しい算定可否を示す資料ではありません。届出の有無ではなく、補綴材料料と請求表示の確認として扱います。
次に見る資料は告示・通知・マスター更新
次に確認すべき資料は、2026年9月随時改定に関する正式告示・通知、診療報酬情報提供サービスの歯科診療行為マスター更新、レセコンベンダーの更新案内です。中医協資料だけで院内資料を確定させず、後続資料で最終確認します。
FAQ
2026年9月の歯科用貴金属改定はもう決定ですか
中医協資料では告示価格案として示されています。正式な告示番号、通知、適用開始日の明記は後続資料で確認が必要です。院内では「案が示された」として準備を進めます。
金パラの患者負担は必ず下がりますか
個別の患者負担は、診療内容、使用材料、診療日、負担割合、レセコン反映後の点数で決まります。今回の資料だけで、患者ごとの負担額を断定しないようにします。
すべての歯科医院が対応する必要がありますか
該当する歯科用貴金属を使う補綴症例がある医院は確認対象です。使用頻度が低い医院でも、レセコン更新と患者説明の有無は確認しておくと安全です。
まず何から確認すればよいですか
まず正式な告示・通知の有無を確認します。その後、歯科診療行為マスター、レセコン更新、9月前後の補綴症例、受付説明の順に確認します。
出典
[1] 中央社会保険医療協議会 総会(第653回)議事次第|厚生労働省|2026年7月22日
該当箇所: 議題3「歯科用貴金属価格の随時改定について」、資料総-3
[2] 総-3 歯科用貴金属価格の随時改定について|厚生労働省|2026年7月22日
該当箇所: p.1 随時改定の説明、p.2 2026年9月随時改定の告示価格案
[3] 2026年1月16日 中央社会保険医療協議会 総会 第642回議事録|厚生労働省|2026年1月16日
該当箇所: 歯科用貴金属価格の随時改定に関する説明と質疑
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