歯科医院の月次会議で見るKPI|予約・キャンセル・リコールの3枚

歯科医院の月次会議で見るKPI|予約・キャンセル・リコールの3枚

DX・デジタル

歯科医院の月次会議では、予約の動き、キャンセル、リコールの反応を別の資料にすると、数値の意味を確かめやすくなります。KPIは改善の状態を見る指標です。多くの数字を並べる前に、何を何で割るか、どの月に数えるかをそろえましょう。

この記事では、予約運用の変化を見るための3枚の資料を提案します。以下の定義と数値は院内で調整する例であり、法令上の統一様式や業界平均ではありません。会議の司会や議事録ではなく、資料に載せる指標の設計を扱います。

最初に集計条件を一枚目の上へ記載する

集計対象月、締め日時、データの出所、予約件数の単位を明記します。同じ患者の複数予約をそれぞれ一件とするか、患者単位で数えるかによって結果は変わります。予約管理ではまず予約一件単位にそろえる方法が考えられます。

また、「その月に入力した予約」と「その月に来院予定の予約」は異なります。前者は受付の動き、後者は診療予定の状況を見る数字です。一つの表へ混在させず、表題にも対象を記載します。

日本医療機能評価機構の計測資料も、指標の定義、データの出所、分母・分子を区別して説明しています。病院向け資料の指標をそのまま転用するのではなく、計測条件を明示する考え方を参考にします。

一枚目は予約数と変更数の動きを見る

予約の資料には、当月に新たに受けた予約件数、当月に受けた日時変更の件数、翌月以降の予約残数を別欄に載せます。日時変更は新しい患者の獲得とは異なるため、新規受付の件数へ二重に加えない設計にします。

例えば「当月の受付予約が増えた」という場合も、実際には変更操作が多かっただけかもしれません。件数の増減を見てから、初診・再診、受付経路、曜日など必要な切り口を一つ追加します。最初から細かく分けすぎると、入力や集計の負担が先に増えます。

二枚目はキャンセルの内訳と率を載せる

キャンセル資料は、当月に来院予定だった予約を母集団にし、事前連絡、当日連絡、無断を分けます。日時変更や医院側の変更をどう扱うかも、資料の脚注に固定します。次の表は架空の集計例です。

指標

分母・分子の例

架空の計算

患者都合キャンセル率

来院予定予約500件のうちキャンセル40件

40÷500=8%

無断キャンセル率

同じ500件のうち無断10件

10÷500=2%

当日連絡の件数

40件のうち当日連絡15件

率とは別に15件と表示

無断10件は40件の内数です。8%と2%を足して全体10%としないようにします。変更後に来院した件数は別欄で追えば、欠席したままなのか再予約につながったのかも確認できます。

キャンセルで空いた枠が他の患者で埋まっても、元予約のキャンセルという事実は残します。空き枠の回収を別に扱うことで、予防と埋め直しを混同せず評価できます。

三枚目はリコール案内の反応を追う

リコールは案内した月と来院する月がずれるため、当月の案内件数と当月の来院数を単純に割らないようにします。「9月に案内した対象者を、10月末まで追跡する」など、対象集団と観測期間を決めます。

架空の例として、案内対象80人、重複を除く送信70人、予約30人、観測終了までの来院25人なら、送信した人の予約率は30÷70、来院率は25÷70です。対象者に対する案内実施率は70÷80で、別の問いに答える数字です。

予約済み、連絡を希望しない、到達しない、観測中といった状態も分けます。未確定の対象をすべて「反応なし」にすると、連絡したばかりの月だけ不利に見えてしまいます。来院時期の提案は患者ごとの診療上の判断を前提にします。

前月差と前年同月差を使い分ける

直近の運用変更を見るときは前月との差が手掛かりになります。ただし診療日数、連休、休診、担当者数が違えば単純比較はできません。予約件数には診療日当たりの値を添え、率には分母の件数も載せます。

前年同月差は季節的な動きを考える補助になりますが、診療体制が変わっていれば同じ条件とは限りません。「前月比が正しい」「前年比が正しい」と固定せず、確認したい施策と比較条件に合う方を選びます。

集計方法を変更した月は、数値の横に変更理由を記載します。可能なら旧定義でも短期間集計し、定義変更による差と運用の変化を分けて説明します。

月次資料を改善の判断につなげる

各資料の下には、「起きた変化」「確認したい理由」「追加で見る記録」を一行ずつ用意します。例えば無断件数が増えたら、すぐに通知回数を増やす前に、曜日の偏りや未達の有無を確認します。

患者名を並べた一覧は配布資料へ付けず、会議用は必要な集計に絞る運用を提案します。個別確認が必要な案件は、閲覧できる担当者が院内で定めた場所を確認します。

よくある質問

数字が少ない月も率を出しますか?

率に加えて実件数を載せます。分母が少ないと一件で大きく動くため、一月の上下だけで改善や悪化を断定しません。

予約変更はすべてキャンセルですか?

この例では変更の受付件数を別管理します。使用中のシステムの集計仕様を確認し、院内定義と異なる場合はその差を注記します。

目標値は全国平均に合わせますか?

定義が一致しない平均との比較は避けます。まず自院の同じ定義の推移と実務上の課題から、確認すべき変化を決めます。

出典

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Selectdays カスタマーサクセス担当

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