
歯科医院の受付スクリプト|予約変更・遅刻・確認不足の会話例
歯科医院の受付スクリプトは、言葉を一字一句そろえるよりも、「確認すること」「その場で約束できること」「担当者へつなぐこと」をそろえるために作ります。予約変更、遅刻、情報不足の再確認を分ければ、患者の状況を聞きながら会話を進めやすくなります。
以下は医院用に調整する台本例です。診療内容や診療可否を受付だけで判断するためのマニュアルではありません。
スクリプト化する場面を3つに絞る
よく起きる会話のうち、言い方の違いが確認漏れにつながる場面を選びます。本稿では予約変更、遅刻、予約情報を特定できない場面を対象にします。最初から全ての相談を台本に入れると、探している間に会話が止まってしまいます。
台本の余白には「確認先」「保留中に残すメモ」「担当不在時の引継ぎ」を記載します。患者へ伝える文と職員向けの指示を別欄にすると、内部事情まで読み上げることを防ぎやすくなります。
予約変更は元の予約を確認してから候補を聞く
患者が希望日を話し始めても、どの予約を変えるのか曖昧なまま進めないことが大切です。まず院内の本人確認手順に従い、対象の予約日時を確かめます。
「予約変更のご連絡ですね。確認のため、お名前と、現在のご予約日時を教えていただけますか」
「○月○日○時のご予約でよろしいでしょうか。ご希望の曜日や時間帯を伺います」
「同じ内容でご案内できるか担当者に確認します。確認後に候補をお伝えしてもよろしいでしょうか」
症状や相談内容が変わったとの話があれば、受付が以前と同じ枠でよいと決めず、必要事項を担当者へ渡します。日程変更の詳しい登録手順は別に定め、台本では聞く順番を明確にします。
遅刻の連絡は到着見込みと状況を聞く
遅刻連絡では、到着時刻だけを聞いて「大丈夫です」と答えると、予定どおりの内容を受けられるという誤解を招く場合があります。到着見込みを聞いたうえで、診療側への確認が必要なことを伝えます。
「ご連絡ありがとうございます。到着は何時ごろの見込みでしょうか」
「予定している診療をどのようにご案内できるか、担当者に確認します。到着後にお待ちいただく場合があるため、確認した内容をお伝えします」
患者から症状の訴えがあった場合は、その言葉を要約して記録し、院内手順に沿って歯科医師へつなぎます。厚労省の応招義務に関する通知では、対応を考えるうえで緊急性等が重要とされています。遅れた分数だけで診療可否を確約・拒否しない台本にしましょう。
情報不足の再確認は理由を短く伝える
同姓同名や複数の予約があるときは、こちらの推測で決めず再確認します。患者が何度も同じ説明をしている場合は、何が未確認なのかを具体的に伝えます。
「別のご予約と取り違えないよう、もう一点だけ確認させてください。変更をご希望なのは○月○日のご予約でしょうか」
「現在の情報だけでは予約を特定できないため、確認して折り返します。こちらからご連絡してよい番号と時間帯を教えていただけますか」
付き添いや家族からの連絡では、本人との関係や医院で決めた受付範囲を確認します。家族という理由だけで、不要な診療情報まで伝える台本にしないようにします。
保留・折り返しは誰が何を確認するか示す
「少々お待ちください」だけを繰り返すより、確認する事項と次の連絡方法を示します。返答時刻を約束する場合は、担当者が対応できることを確認してから伝えます。
場面 | 伝え方の例 | 避けたい言い方 |
|---|---|---|
診療側へ確認 | 「枠の条件を担当者に確認します」 | 「たぶん入れます」 |
担当者が応対中 | 「折り返しの方法を相談させてください」 | 「いつか電話します」 |
対応が未確定 | 「確認後にご案内します」 | 「来れば何とかなります」 |
聞き直しが必要 | 「取り違え防止のため確認します」 | 「さっきも聞きましたが」 |
折り返しメモには質問、確認済み情報、確認先、約束した連絡方法を残します。途中で担当が交代しても、患者に最初から説明してもらわずに済む形を目指します。
台本は院内で読み合わせ、更新担当を決める
台本の作成後は、受付役と患者役に分かれて読み合わせます。相手が希望日を変更する、電話が途切れる、担当者が不在といった場面も試すと、足りない分岐を見つけられます。
医療介護の個人情報ガイダンスは、従業者への必要かつ適切な監督を示しています。受付研修でも、会話の丁寧さに加え、確認と引継ぎの範囲を共有しましょう。版番号と更新日を付け、古い紙と共有フォルダの台本が混在しないようにします。
よくある質問
台本どおりに話せないときはどうしますか?
言い回しは相手に合わせて構いません。必須の確認事項と、受付だけで決めない事項を守り、台本にない相談は確認先へつなぎます。
謝罪の言葉を増やすべきですか?
謝罪を重ねるより、何を確認し、次にどう案内するかを具体的に伝えます。状況に応じた短い配慮の言葉を添えましょう。
新人だけが使うものですか?
経験者も含めて使うと、確認項目の違いを点検できます。よくある迷いを集め、医院共通の台本として更新します。
出典
- 厚生労働省・いきサポ「各種法令・通知」(応招義務に関する2019年12月25日通知)
- 個人情報保護委員会・厚生労働省「医療介護ガイダンス」(2026年4月一部改正)
Selectdays カスタマーサクセス担当
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