歯科オンライン診療の始め方 2026年4月時点の実務チェック

歯科オンライン診療の始め方 2026年4月時点の実務チェック

Selectdays CS担当者

2026年4月10日時点で、厚生労働省のオンライン診療ポータルには、2026年4月1日施行のオンライン診療関係ルール、2026年4月2日改訂の一般指針、歯科向け指針、歯科医師向け研修案内がまとまっています。歯科医院にとって重要なのは、オンライン診療を「予約アプリを入れれば始められる仕組み」と考えないことです。

歯科のオンライン診療は、対面診療を完全に置き換える制度ではありません。歯科向け指針と患者説明チェックリストを読むと、研修受講、診療計画、患者説明、対面診療への切替、セキュリティ対応まで一体で準備する必要があると分かります。

この記事では、厚生労働省と日本歯科医師会の一次情報を基に、歯科オンライン診療を始める前に歯科医院が確認したい実務を整理します。

歯科オンライン診療で今押さえたい全体像

2026年4月時点のポイントは、歯科向けルールそのものに加えて、一般オンライン診療ルールの更新も同じポータルで確認できることです。院内で読む資料を一枚にまとめやすい状態になっています。

厚労省ポータルで確認できる更新

厚生労働省のオンライン診療ページでは、2026年4月1日施行の「医療法等の一部を改正する法律の一部の施行等について(オンライン診療関係)」、医療機関向けチェックリスト、患者説明用チェックリスト、2026年4月2日改訂の一般指針が掲載されています。さらに歯科の専用セクションでは、2024年3月策定の「歯科におけるオンライン診療の適切な実施に関する指針」と、歯科医師向け研修の案内が整理されています。

つまり、歯科医院は医科向け一般ルールだけを見るのでも、逆に歯科向け指針だけを見るのでも足りません。一般ルールと歯科向け指針の両方を読み、院内運用へ落とす必要があります。

コロナ特例終了後の位置づけ

同じ歯科セクションでは、新型コロナウイルス感染症流行を踏まえた電話や情報通信機器による歯科診療の時限的・特例的な取扱いは、2024年3月末で終了したと明記されています。ここは読み違えやすい点です。

以前の特例運用を前提に「電話でも対応できるのではないか」と考えるのは危険です。いま参照すべきなのは、通常運用としての歯科向け指針と、厚労省ポータルに載る最新の一般ルールです。

研修受講と院内体制で先に決めること

歯科オンライン診療は、システム契約より先に、だれが責任を持って実施するのかを決める必要があります。人の準備が先で、機器は後です。

歯科医師向け研修は実施前提で確認する

厚生労働省ポータルの歯科セクションでは、オンライン診療を実施する歯科医師は厚生労働省が定める研修を受講することとされています。令和7年度は日本歯科医師会が受託し、オンライン診療を実施する歯科医師、または実施予定のある歯科医師が受講対象と案内されています。

日本歯科医師会の研修案内では、研修目的を「オンライン診療を実施するために必須となる知識を習得すること」とし、基本的理解、遵守事項、提供体制、セキュリティ、実臨床事例を扱うとしています。つまり、研修は任意の勉強会ではなく、導入前提の確認項目です。

だれが責任者になるかを決める

オンライン診療を実施する歯科医師が複数いる場合でも、院内で責任者、運用ルール、記録方法が曖昧だと事故が起きやすくなります。患者説明用チェックリストでも、複数の医師がオンライン診療を行う場合は、どの医師がどういう場面で対応するかを患者へ明示するよう求めています。

勤務医が交代で対応する医院ほど、診療時間外の連絡窓口、急変時の受診先、記録の引継ぎを先に設計しておく方が安全です。

診療計画と患者説明で外せない項目

オンライン診療は、診療前の説明と診療計画が弱いと運用できません。厚労省の患者説明チェックリストは、そのまま院内文書のたたき台として使える内容です。

診療計画に入れる内容

患者説明チェックリストでは、診療計画として少なくとも、オンライン診療で行う具体的な診療内容、対面診療や検査との組み合わせ、診療時間、使用機器、オンライン診療を行わないと判断する条件、情報通信障害時の扱い、急病急変時の対応方針を説明するよう求めています。

歯科医院の実務では、ここを診療科共通のテンプレートで済ませると抜けが出やすいです。例えば、術後経過観察、矯正の経過確認、口腔内症状の再確認など、何をオンラインで扱い、何を必ず対面へ戻すかを歯科特有の言葉で書き分ける必要があります。

リアルタイム映像と音声、対面切替の考え方

患者説明チェックリストでは、オンライン診療はリアルタイムの視覚及び聴覚の情報を含む情報通信手段を用いる必要があり、メールやチャットのみでは実施できないと示されています。加えて、毎回、医師がオンライン診療の実施可否を判断し、不適切と判断した場合は中断して対面診療に切り替えることが前提です。

歯科では触診や詳細な口腔内確認が必要になる場面が多いため、対面切替の条件を先に決めておかないと運用がぶれます。画像が不鮮明な場合、疼痛や腫脹が強い場合、出血や外傷がある場合など、代表的な切替条件を院内で共有しておきたいところです。

システム選定とセキュリティで注意したい点

導入時に見落としやすいのが、セキュリティ説明とシステム設定です。歯科医院側の対策だけでなく、患者にどう説明するかまで求められています。

汎用サービスを使う場合の注意

患者説明チェックリストでは、Teams や LINE などの汎用サービスを使う際、医療機関から患者につなげること、意図しない三者通信を防ぐこと、医療情報システムに影響を与えない設定とすることが示されています。汎用サービスを使えるからといって、そのまま私用の設定で始めてよいわけではありません。

予約担当者が患者へURLを送る方法、患者から先に発信させない運用、録音録画の扱い、チャット機能の利用範囲まで決めておく必要があります。

患者側にも伝えるべきリスク

患者説明チェックリストでは、患者に対しても、端末紛失やウイルス感染による情報漏えい、OSやアプリの更新、録音録画をしないこと、第三者を無断参加させないことなどを説明するよう求めています。オンライン診療は、医院だけが守ればよい仕組みではありません。

そのため、歯科医院では同意書、予約完了メール、受診前案内で同じ内容を案内できるようにしておく方が実務的です。診療時だけ口頭で伝える運用では、説明漏れが起きやすくなります。

歯科医院が導入前に点検したい実務

歯科オンライン診療の導入準備は、院長一人で指針を読むだけでは終わりません。予約、説明、診療、記録、システム設定を横断してそろえる必要があります。

文書と予約導線をそろえる

まず見直したいのは、患者説明書、同意書、予約ページ、予約確認メール、院内マニュアルです。オンライン診療を対面診療とどう組み合わせるのか、どんな場合に対面へ切り替えるのか、使用するシステムは何か、急変時はどこを受診するのかが、どの導線でも同じ内容で案内できる状態が望ましいです。

患者説明チェックリストを下敷きにすると、説明項目の抜け漏れを減らしやすくなります。特に、診療計画とセキュリティの説明は別文書に分かれやすいため、運用上は一体で見直す方が分かりやすいです。

初診からの運用は慎重に設計する

患者説明チェックリストには、初診からオンライン診療を行う場合は、その後の方針や対面受診先等を説明し、その後オンライン継続が見込まれる場合は可及的速やかに診療計画を定めるとあります。ここは「初診からも可能な場合がある」と「何でも初診オンラインでよい」を混同しやすい部分です。

歯科では、症状の性質によって対面確認の必要性が高い場面が多いため、初診運用は特に慎重に設計すべきです。まずは再診や経過確認など、適応を限定して始める方が現実的な医院も多いはずです。

FAQ

歯科オンライン診療は電話だけでもできますか

できません。厚労省の患者説明チェックリストでは、リアルタイムの視覚及び聴覚の情報を含む通信手段が必要であり、メールやチャットのみでは診療できないと示されています。

歯科医師向け研修は任意ですか

厚生労働省ポータルの歯科セクションでは、オンライン診療を実施する歯科医師は厚生労働省が定める研修を受講することとされています。導入前提の確認事項として扱う方が安全です。

コロナ特例のときの運用をそのまま続けてもよいですか

避けるべきです。厚労省ポータルでは、歯科診療における電話や情報通信機器を用いた時限的・特例的な取扱いは2024年3月末で終了したと明記されています。現在は通常ルールに沿って運用を組み直す必要があります。

出典

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Selectdays CS担当者

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