在宅医療ICTモデル事業で歯科診療所は何を準備する?令和8年度の確認点
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在宅医療ICTモデル事業で歯科診療所は何を準備する?令和8年度の確認点

Selectdays CS担当者

2026年4月1日から、厚生労働省は「在宅医療の効率化のためのデジタル化及びICT導入促進に係るモデル事業」の公募要領を適用しました。歯科診療所にとって重要なのは、今回の事業が訪問診療や訪問看護だけの話ではなく、説明会対象者に歯科診療所が明記されている点です。

ただし、この事業は歯科診療所が単独で申請する補助金ではありません。都道府県が設定する在宅医療の圏域で位置づけられた「在宅医療に必要な連携を担う拠点」が実施主体となり、そのモデル地区に参加する病院、診療所、歯科診療所、薬局、訪問看護ステーションなどが連携して進める仕組みです。

この記事では、歯科診療所が今すぐ知りたい「対象になるのか」「何を準備するのか」「どこに連絡すべきか」を、一次情報だけで整理します。

令和8年度在宅医療ICTモデル事業で何が始まったか

厚生労働省は2026年3月13日付の局長通知で、令和8年度から本モデル事業を実施すると示し、詳細を定めた公募要領を2026年4月1日から適用すると通知しました。制度の狙いは、2040年に向けて在宅医療患者数の増加が見込まれる一方で、生産年齢人口の減少により医療従事者の確保が難しくなることを踏まえ、質を保ちながら効率化することです。

2026年4月1日から適用された制度の位置づけ

今回の事業は、オンライン診療や遠隔モニタリング、業務効率化デバイス、クラウド型アプリケーションなどの導入を通じて、在宅医療の提供を効率化する支援事業です。単に機器を入れるだけでなく、導入効果の検証まで含めたモデル事業として設計されています。

そのため、導入候補のシステムがあるかだけでなく、地域連携のなかでどう使うか、どんな効果を測るかまで見通して参加する必要があります。歯科診療所にとっては、在宅患者の情報共有や口腔機能・栄養状態の変化の共有がテーマになりやすいと考えられます。

歯科診療所が対象外ではないと分かる根拠

厚労省の公募ページでは、説明会対象者として「病院・診療所、歯科診療所、薬局、訪問看護ステーションの担当者等」が明記されています。さらに、令和7年度の実態調査ページでは、在宅療養支援歯科診療所が調査対象に含まれていました。

この流れを踏まえると、歯科は周辺的に追加されたのではなく、昨年度の調査対象から今年度の実装候補へつながる領域として位置づけられています。地域の在宅歯科に関わる診療所であれば、説明会や地域協議に早めに入る意味があります。

歯科診療所が押さえるべき参加条件

歯科診療所が最初に誤解しやすいのは、応募主体です。公募要領上、応募するのは個別の歯科診療所ではなく、都道府県が設定した在宅医療の圏域で「在宅医療に必要な連携を担う拠点」と位置づけられた組織です。

実施主体は地域の連携拠点である

モデル地区は、各都道府県の在宅医療圏域で位置づけられた連携拠点が実施主体となります。したがって、歯科診療所側は「自院だけで応募書類を出す」より先に、自院の属する圏域で誰が拠点になっているかを確認する必要があります。

また、公募要領では参加する在宅医療提供施設等が複数施設となるようにすることや、同一法人だけで固めないよう留意することが求められています。歯科診療所1件だけで完結する設計は想定されていないと読んだ方が実務的です。

応募は都道府県担当経由になる

提出先も厚労省へ直接ではなく、まず各都道府県の在宅医療担当です。公募要領では、応募を希望する拠点がモデル地区候補を設定し、応募書類を作成したうえで、都道府県担当経由で国に提出するとされています。

さらに、応募時点でモデル地区内の合意形成が取れていることも条件です。歯科診療所としては、2026年4月10日の説明会を見るだけでなく、その前後で都道府県担当者と拠点担当者へ連絡し、歯科の参加枠がどう整理されているかを確認する必要があります。

参加するなら何を求められるのか

本事業は「ICTを入れて終わり」ではありません。公募要領では、参加施設が必ず実施すべき事項と成果物が細かく示されています。歯科診療所が参加するなら、現場の負担を減らしつつ、何を報告できるかまで考えておく必要があります。

定量的な効果目標と多職種連携

参加施設には、定量的に測定できる効率化目標の設定が求められています。例として、訪問患者数の増加、超過勤務の削減、救急搬送件数の減少、在宅看取り件数の増加、夜間コール回数の減少、連携先医療機関数の増加などが挙げられています。

歯科診療所が関わる場合は、口腔機能や栄養状態の変化を踏まえたケア内容の見直し、残薬や重複投薬の気付きの共有、ACPの話し合い内容の共有など、多職種連携の場面でどう貢献するかが論点になります。単純な機器導入費だけでなく、効果を示せる運用設計が必要です。

個人情報と患者向け説明文書

公募要領では、導入したシステムの運用ルール、職種間で在宅療養患者の個人情報をやりとりする際の周知文書、患者向け説明文書、セキュリティ文書、災害時運用ルールまで公表可能な形で作成することが求められています。

この点は、歯科診療所の院内体制に直結します。訪問先で得た情報をどこまで共有するか、同意取得や説明をどうするか、災害時に記録アクセスをどう維持するかを、参加前から検討しておく方が後工程で詰まりにくくなります。

医院で先に整えたい実務準備

歯科診療所が今すぐ着手しやすいのは、応募書類そのものより、地域に参加できる状態を作ることです。特に、誰が院内窓口になるか、どの連携先とどの情報をやりとりしたいかを整理しておくと、拠点側との調整が進めやすくなります。

院内の担当者と運用ルール

まず決めたいのは、在宅歯科のICT活用を誰が担当するかです。院長、事務長、訪問担当歯科衛生士など、連携先との連絡、院内説明、個人情報管理、報告用データ整理を担える人を決めておくと動きやすくなります。

あわせて、既存の訪問記録、患者説明、情報共有ルールを棚卸しし、どこをデジタル化できそうかを見ておくべきです。これができていないと、説明会を聞いても「何を自院で変えるか」が曖昧なまま終わります。

連携先との役割分担

歯科診療所単独ではなく、病院、在宅診療所、訪問看護、薬局との役割分担が前提です。例えば、歯科が口腔内所見や摂食嚥下に関わる情報を共有し、他職種が薬剤、全身状態、ACP、緊急連絡体制を補完する形を描けるかが重要です。

歯科側だけで完結する運用は評価されにくい可能性があります。公募要領でも全国への横展開が重視されているため、歯科が地域の多職種連携の中でどんな再現性ある役割を担えるかを意識しておく必要があります。

よくある疑問

歯科診療所単独で応募できるのか

一次情報の範囲では、応募主体は在宅医療圏域で位置づけられた連携拠点です。歯科診療所単独の直接応募を前提にした制度設計ではありません。参加を希望する場合は、まず地域拠点や都道府県担当に連絡するのが順序として適切です。

まずどこに連絡すべきか

最初の連絡先は、自院の所在する都道府県の在宅医療担当と、在宅医療に必要な連携を担う拠点です。公募要領でも、都道府県担当を含めた合意形成が条件になっています。院内だけで準備を進めるより、地域側の整理を先に確認した方が早いです。

今後の見通し

制度としてはすでに2026年4月1日から適用されており、説明会の第2回は2026年4月10日に予定されています。公募要領本文では提出期間が「事務連絡のとおり」とされているため、全国一律の締切を本文だけで判断しないことが大切です。

2026年4月10日の説明会前後で確認したいこと

歯科診療所としては、説明会前後で次の3点を確認すると動きやすくなります。1つ目は、自院の圏域でどの組織が拠点か。2つ目は、歯科診療所に求める役割と想定する導入内容は何か。3つ目は、都道府県実務上の締切がいつかです。

費用の詳細は地域の事業設計と提出資料の確定状況で見え方が変わるため、金額だけで判断するより、地域の事業設計の中で歯科がどう位置づくかを見た方が実務には直結します。

FAQ

歯科診療所は補助対象として明記されていますか

厚労省ページの説明会対象者には歯科診療所が明記されています。また、令和7年度の実態調査でも在宅療養支援歯科診療所が対象に含まれていました。

費用面はどこまで確認できますか

一次情報で確認しやすいのは、モデル地区全体の事業として設計されていることと、個別の歯科診療所が単独で申請する制度ではないことです。自院にどこまで費用負担や導入支援が及ぶかは、地域の拠点と都道府県担当に確認する必要があります。

応募期限はどこを見ればよいですか

公募要領本文では提出期間が「事務連絡のとおり」とされているため、本文だけでは全国共通の締切日は確定できません。各都道府県の在宅医療担当と地域拠点に確認する必要があります。

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