歯科医師臨床研修の制度改正 2026年度に施設が確認したい実務

歯科医師臨床研修の制度改正 2026年度に施設が確認したい実務

Selectdays CS担当者

2026年4月9日、厚生労働省は「令和8年度プログラム責任者講習会(歯科医師臨床研修指導医講習会)実施団体の公募について」と「令和8年度臨床研修活性化推進特別事業実施団体の公募について」を掲載しました。両ページの公募期間は2026年4月10日から2026年4月24日です。

今回の動きを単なる委託事業の募集で終わらせると、制度改正の本筋を見落とします。2025年3月31日に公開されたワーキンググループ報告書と、2026年2月25日の「令和8年度 歯科医師臨床研修の制度改正の概要について」を合わせて読むと、2026年度からの歯科医師臨床研修制度改正を現場へ実装する段階に入ったと分かります。

この記事では、単独型、管理型、協力型(I)の臨床研修施設が今確認したい論点を、募集方法、広域連携、ホームページ公開、相談窓口、講習会の5点に絞って整理します。

2026年4月に何が動いたか

4月9日の2公募は、研修制度の見直しを支える実務基盤づくりとして読むべきです。制度改正の議論が終わり、講習会や支援事業を実行する段階に進んだことが重要です。

4月9日掲載の2公募と4月24日までの募集

厚労省の「医療」ページでは、2026年4月9日掲載のトピックスとして、プログラム責任者講習会の実施団体公募と臨床研修活性化推進特別事業の実施団体公募が並んでいます。各ページでは、当該事業の実施を希望する団体を公募すると明記され、公募期間はいずれも2026年4月10日から2026年4月24日です。

ここで押さえたいのは、募集対象が個々の臨床研修施設ではなく実施団体である点です。つまり、施設側にとっての今の課題は「応募するか」より先に、「新制度に合わせて自院の体制を整えておくか」です。

制度改正が議論から実装へ移った意味

ワーキンググループは2025年2月20日の第6回まで開催され、2025年3月31日に資料が公開されました。その後、2026年2月25日の説明資料で、2026年度からの改正内容が整理されています。4月の公募は、その改正内容を現場へ浸透させるための具体的な支援を動かし始めたサインと読めます。

制度改正は通知文だけ読めば終わる話ではありません。講習会、広域連携、ホームページ掲載、相談窓口など、施設運用そのものを見直す論点が増えているためです。

制度改正の中心は何か

今回の改正は、単に到達目標を少し入れ替える話ではありません。募集方法、地域偏在への対応、情報公開の3点で、施設に求める前提が変わっています。

広域連携型プログラムの新設

説明資料では、広域連携型プログラムの定義が示されています。東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県の臨床研修施設が、それ以外の道府県の臨床研修施設と連携し、それぞれ管理型臨床研修施設または協力型(I)臨床研修施設として3か月以上の研修を行う研修プログラムをいうと整理されています。

この制度の狙いは、地域偏在への対応を研修段階から進めることです。都市部の管理型施設が地域の協力型(I)施設と連携し、研修歯科医が異なる地域の歯科医療を経験することで、地域における研修機会、キャリアの選択肢、歯科医療機関間の連携経験を広げようとしています。

採用方法とホームページ公開の見直し

説明資料では、従来の歯科医師臨床研修制度では「原則として、公募により行うこと」という規定のみで、マッチングプログラム以外の方法でも募集できたと整理しています。その一方で、改正後は研修歯科医の採用について、原則として歯科医師臨床研修マッチング協議会が実施する歯科医師臨床研修マッチングプログラムを用いた公募によって行うものとすると示しています。

あわせて、施設ホームページでの情報公開も明確化されます。ワーキンググループ資料では、研修プログラムの名称と概要、募集定員、募集と採用の方法、研修開始時期、処遇、指定申請やプログラム変更の状況などを自施設ホームページに掲載することを明確化すると整理しています。募集導線と情報公開は、今後の採用力に直結する論点です。

指導体制で見直す点

制度改正で見落とされやすいのが、指導体制と研修環境です。採用方法が整っていても、相談体制と継続支援が弱ければ、研修の質も定着も崩れます。

相談窓口、メンター、ハラスメント対応

説明資料では、歯科医師臨床研修には医師側のような指導ガイドラインが乏しく、相談窓口やメンター等のサポート体制が施設ごとにばらついていると指摘しています。そのうえで、各臨床研修施設は、研修歯科医がハラスメント等について随時相談できるよう、施設内の相談窓口やメンター等の体制を確保し、必要に応じて外部サービスも含めて周知する方向が示されています。

ここで重要なのは、窓口を名目だけ置くことではありません。誰が一次対応するのか、プログラム責任者と研修管理委員会へどう上げるのか、外部相談先をどこまで案内するのかを、施設内で手順化しておく必要があります。

フォローアップ研修とプログラム責任者講習会

ワーキンググループ報告書では、フォローアップ研修の開催指針等を示し、臨床研修期間中に5項目5単位以上の研修受講を求める方向が整理されています。加えて、プログラム責任者講習会については対面形式とWeb形式の併用や、受講機会の確保が論点となってきました。

今回4月9日にプログラム責任者講習会の実施団体公募が始まったのは、この部分を2026年度の運用へ落とす準備と読めます。施設としては、誰がいつ講習会を受けるのか、フォローアップ研修を院内外のどこで確保するのかを先に見通しておく方が実務的です。

臨床研修施設が今すぐやること

現時点で全施設が一斉に制度変更届を出す段階ではありません。ただし、募集と受け入れに直結する準備は、今年度の早い段階で始めた方が安全です。

自院サイトと採用導線の棚卸し

最初に確認したいのは、自院ホームページに研修プログラムの名称、概要、定員、採用方法、研修開始時期、処遇、連携先、見学案内が十分に載っているかです。ワーキンググループ資料では、地方の高倍率施設ほどホームページの臨床研修情報が充実していたと整理されています。

現在もマッチング以外の採用導線を中心にしている施設は、2026年度の制度改正との整合を確認する必要があります。採用広報、見学対応、面接フロー、マッチング参加登録、二次募集の扱いを一度並べて見直すべきです。

連携先と院内支援体制の整理

次に確認したいのは、広域連携を含む連携先候補と、院内支援体制です。特に都市部の管理型施設や協力型(I)施設は、地域側の連携先とどの研修を持ち合うのか、3か月以上の研修を組めるのか、指導体制をどうそろえるのかを検討する必要があります。

同時に、プログラム責任者、指導歯科医、相談窓口担当、メンター候補、外部相談先を一覧化しておくと、制度改正後の説明責任を果たしやすくなります。研修歯科医から見て「困ったときに誰へ相談するか」が見える設計にしておくことが重要です。

今後の見通し

2026年度の制度改正は、4月の公募で終わりではありません。今後は支援事業の具体化と、施設実務へ落ちる追加案内を追う必要があります。

活性化推進特別事業で注視する点

4月9日に公募が始まった臨床研修活性化推進特別事業は、広域連携型プログラムや研修活性化の支援策をどこまで現場へ届けるかを見る材料になります。施設側としては、実施団体が決まった後に、情報提供、施設間マッチング、研修支援、周知内容がどう出てくるかを確認する必要があります。

特に、広域連携を検討する施設では、国の支援がどこまで調整機能を担うのかで準備の進め方が変わります。自院だけで抱えず、地域の大学病院、病院歯科、協力型施設との接点を早めに作る方が動きやすくなります。

次に確認する資料

次に確認したいのは、プログラム責任者講習会の詳細、活性化推進特別事業の委託先決定後の案内、制度改正に伴う様式や届出の更新、D-REIS の見直しに関する周知です。2026年2月25日の説明資料でも、情報提供の方法は令和8年度以降の状況を見ながら次回制度改正でも検討するとしています。

つまり、今年度は制度改正の初年度です。いま必要なのは、通知待ちで止まることではなく、募集方法、ホームページ、相談窓口、連携先の4点を先に整え、追加資料が出たときにすぐ反映できる状態を作ることです。

FAQ

広域連携型プログラムは全施設必須ですか

いいえ。広域連携型プログラムは新設されますが、希望施設の調整と連携が前提です。まずは自院が該当する地域区分と連携先候補の有無を確認する段階です。

マッチングに参加していない施設はどうなりますか

説明資料では、研修歯科医の採用は原則として歯科医師臨床研修マッチングプログラムを用いた公募によって行うものと整理されています。現行の採用方法がマッチング外中心であれば、制度改正に合わせた見直しが必要です。

ホームページに何を載せればよいですか

研修プログラムの名称と概要、募集定員、募集と採用の方法、研修開始時期、処遇、指定申請やプログラム変更の状況が基本です。加えて、相談窓口、見学案内、連携施設、メンター体制まで見えると、研修希望者にとって判断しやすくなります。

出典

  • 厚生労働省「医療」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/index.html
  • 厚生労働省「令和8年度プログラム責任者講習会(歯科医師臨床研修指導医講習会)実施団体の公募について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72402.html
  • 厚生労働省「令和8年度臨床研修活性化推進特別事業実施団体の公募について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72400.html
  • 厚生労働省「令和8年度 歯科医師臨床研修の制度改正の概要について」 https://www.mhlw.go.jp/content/001661508.pdf
  • 厚生労働省「歯科医師臨床研修制度の改正に関するワーキンググループ報告書」 https://www.mhlw.go.jp/content/001468690.pdf
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