最低賃金の目安審議、歯科医院の確認点

Selectdays CS担当者

厚生労働省は2026年7月10日の新着情報で、令和8年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会第3回の開催案内を掲載しました。歯科医院にとっての要点は、令和8年度の地域別最低賃金額がすでに決まったという話ではなく、改定に向けた審議が進んでいるため、院内の賃金表を先に点検しておく段階に入ったことです。

受付、歯科助手、滅菌・清掃担当、短時間勤務の歯科衛生士、試用期間中の職員、派遣スタッフがいる医院では、最低賃金改定後に求人票や給与設定を慌てて直すより、今のうちに「誰を、どの賃金で、どう時間額換算するか」を整理しておく方が安全です。

この記事では、厚生労働省と中央最低賃金審議会の一次情報を基に、最低賃金改定前に歯科医院が確認したい実務を整理します。

3行要約

  • 2026年7月10日、厚労省新着情報で令和8年度最低賃金目安小委員会第3回の開催案内が掲載されました。
  • 2026年7月13日時点で、令和8年度の都道府県別最低賃金額と発効日はまだ確定していません。
  • 歯科医院は、時給者だけでなく月給者、派遣、試用期間中職員、求人票、周知掲示を先に棚卸しします。

最低賃金の目安審議で今わかっていること

今回確認できるのは、令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について、中央最低賃金審議会で諮問され、目安小委員会の審議が進んでいるという事実です。歯科医院が読むときは、審議段階と確定額を分ける必要があります。

令和8年度額はまだ決定ではない

中央最低賃金審議会のページでは、2026年6月26日の第74回会議で「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について(諮問)」が議題になったことが確認できます。その後、2026年7月10日の新着情報では、目安に関する小委員会第3回の開催案内が掲載されています。

これは、歯科医院の賃金を今日から新しい金額に変える根拠ではありません。目安、地方最低賃金審議会、都道府県別の決定、発効日という順に確認が進むため、記事執筆時点では「準備段階」として扱うのが正確です。

歯科医院では職種別の下限確認に直結する

最低賃金は、歯科診療報酬のように点数表で医院収入を直接変える制度ではありません。ただし、医院が雇用する職員の賃金下限には直結します。受付、歯科助手、滅菌・清掃、短時間勤務の歯科衛生士、学生アルバイト、試用期間中職員など、時給や月給の水準が地域別最低賃金に近い職員は特に確認対象です。

歯科医院で対象になる職員を漏らさない

厚生労働省の最低賃金制度ページでは、最低賃金は雇用形態に関係なくすべての労働者に適用されると説明されています。歯科医院では、常勤職員だけでなく、短時間・試用期間・派遣の扱いまで含めて確認します。

時給者だけでなく月給者も時間額に換算する

最低賃金の確認は、時給で働く職員だけの話ではありません。月給制の受付、歯科助手、歯科衛生士でも、対象賃金を時間額に換算して、適用される最低賃金額と比較する必要があります。

特に、所定労働時間が長い、固定手当の内訳が複雑、欠勤控除やシフト変更が多い医院では、月給総額だけを見ても判断できません。給与担当者は、基本給、毎月固定で支払う手当、所定労働時間をそろえて確認します。

派遣スタッフは派遣先の最低賃金を確認する

最低賃金制度ページでは、派遣労働者には派遣元ではなく派遣先の最低賃金が適用されると説明されています。歯科医院で受付、事務、滅菌補助などを派遣で受け入れている場合は、自院所在地の地域別最低賃金を基準に確認します。

派遣契約では、単に派遣会社に任せるのではなく、改定額の発効日、契約単価の改定時期、請求単価の反映時期を確認しておくと、発効後の契約差し替えが遅れにくくなります。

最低賃金の比較で入れる賃金・入れない賃金

最低賃金の確認では、支給総額をそのまま比べないことが重要です。厚生労働省の制度説明では、対象になるのは毎月支払われる基本的な賃金で、残業代やボーナスなどは対象外とされています。

残業代や賞与で下限割れを埋めない

歯科医院では、繁忙期の残業代、賞与、臨時手当、交通費を含めると見かけ上の支給額が増えることがあります。しかし、最低賃金の比較では、毎月支払われる基本的な賃金に絞って見る必要があります。

例えば、受付スタッフの基本給が低く、残業代や賞与込みでは十分に見えるケースでも、最低賃金の比較では下限を満たさない可能性があります。給与明細の総支給額ではなく、比較対象にできる賃金を分けて確認してください。

求人票と実際の給与条件をそろえる

改定後に見落としやすいのが求人票です。既存職員の時給を上げても、求人媒体、院内掲示、採用ページ、紹介会社向けの募集条件が古いままだと、採用時の説明と雇用契約にずれが出ます。

令和8年度額が確定した後は、求人票、雇用契約書、労働条件通知書、給与計算ソフト、シフト表を同じタイミングで見直す必要があります。今の段階では、どの媒体に求人を出しているかを一覧にしておくことが実務的です。

歯科医院向けの最低賃金チェックリスト

  • 現行の令和7年度地域別最低賃金額と発効日を、自院所在地の都道府県で確認する。
  • 時給者、月給者、短時間勤務、試用期間中職員、派遣スタッフを一覧化する。
  • 月給者は、対象賃金を所定労働時間で時間額換算できるようにする。
  • 残業代、賞与、臨時手当、通勤手当など、比較対象に含めない賃金を分ける。
  • 求人票、採用ページ、院内掲示、労働条件通知書、雇用契約書の保存場所を確認する。
  • 令和8年度額の答申・決定・発効日が出たら、誰が何日以内に更新するか決める。

職種別に見る確認表

区分

確認する賃金

歯科医院での注意点

受付・歯科助手

時給または月給の時間額換算

地域別最低賃金に近い条件になりやすく、求人票更新も必要

滅菌・清掃担当

短時間勤務の時給

勤務時間が短くても最低賃金の対象になる

歯科衛生士

常勤・非常勤の基本給、固定手当

有資格者賃金として相場確認も必要だが、最低賃金比較は別に行う

試用期間中職員

試用期間中の時給・月給

試用期間だから下回ってよいとは扱わない

派遣スタッフ

派遣先地域の最低賃金と契約単価

派遣会社と発効日後の契約改定時期を確認する

周知義務と院内共有を忘れない

厚生労働省の最低賃金制度ページでは、使用者は最低賃金を労働者に周知する必要があると説明されています。歯科医院では、金額改定だけでなく、院内でどのように周知するかも確認対象です。

掲示・共有・給与担当の役割を分ける

小規模な歯科医院では、院長や事務長が給与計算、採用、労務掲示を兼ねていることがあります。その場合でも、改定額の確認者、給与計算ソフトの更新者、求人票の更新者、院内周知の担当を分けてメモにしておくと漏れを減らせます。

発効日直前に一人で対応すると、既存職員の給与は直しても求人票や派遣契約が残ることがあります。令和8年度額が出る前に、担当表だけ先に作っておくのが現実的です。

業務改善助成金や相談窓口も確認する

最低賃金制度ページでは、業務改善助成金や働き方改革推進支援センターも案内されています。歯科医院が対象になるかは個別条件によりますが、賃上げと設備投資、生産性向上を同時に考える場合は、制度名だけでも把握しておく価値があります。

ただし、助成金はこの記事だけで利用可否を断定できません。利用を検討する場合は、最新の募集要領、対象経費、申請期限、賃金引上げ要件を一次情報で確認してください。

今後の見通しと次に見る資料

次に確認すべきは、中央最低賃金審議会の目安答申、その後の都道府県別の地方最低賃金審議会の答申、地域別最低賃金全国一覧の令和8年度更新です。歯科医院では、金額確定後に発効日までの時間が短い可能性を前提に、先に賃金確認表を作っておくと対応が速くなります。

決まってから確認する項目

令和8年度額が示されたら、自院所在地の都道府県、発効日、現行額との差額、対象職員、求人票、雇用契約、派遣契約、院内掲示を同じ表で確認します。複数医院を運営する法人では、都道府県ごとに発効日と金額が違うため、医院別に管理する必要があります。

FAQ

令和8年度の最低賃金額はもう決まりましたか

2026年7月13日時点で、この記事が確認した範囲では都道府県別の令和8年度地域別最低賃金額と発効日は未確定です。現在は目安審議が進んでいる段階として扱います。

歯科医院ではどの職員から確認すべきですか

まずは時給制の受付、歯科助手、滅菌・清掃担当、短時間勤務職員、試用期間中職員です。次に、月給制の職員を時間額換算し、派遣スタッフの契約も確認します。

賞与や残業代を含めれば最低賃金を満たす場合は大丈夫ですか

その判断は危険です。厚生労働省の制度説明では、最低賃金の対象は毎月支払われる基本的な賃金で、残業代やボーナスなどは対象外とされています。比較対象にできる賃金を分けて確認してください。

出典

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Selectdays カスタマーサクセス担当

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