口腔管理連携加算、歯科医院が見る実務点
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口腔管理連携加算、歯科医院が見る実務点

Selectdays CS担当者

2026年6月1日から、令和8年度診療報酬改定で新設された口腔管理連携加算が始まります。これは、歯科診療を行わない病院などが、入院患者の口腔状態の課題に対応するため、外部の歯科医療機関と連携して入院中の歯科診療につなげた場合に評価される医科側の加算です。

2026年5月29日に厚生労働省が出した疑義解釈その7では、施設基準の実績件数について補足が示されました。歯科医院が直接600点を算定する項目ではありませんが、連携先として依頼方法、診療情報、訪問診療、実績確認に関わるため、病院との運用を早めにそろえておくことが重要です。

口腔管理連携加算は病院側の新設評価

口腔管理連携加算は、入院患者の口腔状態に課題があり、医科の治療上の課題につながっている場合に、病院側が歯科医療機関との連携を評価される仕組みです。歯科医院向けには、まず「誰が算定する項目か」を正確に押さえる必要があります。

点数は600点、入院中1回に限る

厚生労働省の個別改定項目では、口腔管理連携加算は600点と示されています。対象は、施設基準に適合して届け出た保険医療機関に入院している患者で、医師等が入院中の歯科受診を必要と判断した場合です。

算定の流れは、患者の同意を得たうえで、連携している歯科医療機関へ診療状況を示す文書を添えて紹介し、入院中に歯科診療が行われることです。算定は歯科診療が行われた日に、入院中1回に限る整理です。

歯科医院は連携先として実務に関わる

施設基準では、歯科診療を行わない保険医療機関が、別の歯科医療機関と入院患者への歯科訪問診療に係る連携体制を構築していることが求められています。また、歯科訪問診療を依頼する際の方法等について、文書により提供を受けていることも示されています。

そのため歯科医院側では、病院からの依頼をどの窓口で受けるか、どの情報があれば訪問可否を判断できるか、急ぎの相談をどう扱うかを、連携先の病院と文書でそろえることが実務上の出発点になります。

疑義解釈その7で補足された実績件数

2026年5月29日の疑義解釈その7では、口腔管理連携加算の施設基準にある実績件数の扱いが補足されました。病院側の届出・維持に関わる論点ですが、連携歯科医院も実績確認を求められる可能性があるため、意味を理解しておく必要があります。

包括病棟でも診療情報提供の実績を数えられる

施設基準には、過去1年間に、入院患者が連携歯科医療機関から歯科訪問診療を受けた実績が3件以上、または退院時にB009診療情報提供料1の注14に規定する歯科医療機関連携加算1を算定した実績が3件以上、という整理が示されています。

疑義解釈その7では、B009診療情報提供料1および歯科医療機関連携加算1が包括される入院料の病棟であっても、歯科医療機関に対する診療情報提供を行った実績件数を、この要件の件数に含めることができると示されました。

算定主体と記録主体を混同しない

この補足は、病院側が施設基準上の実績をどう数えるかに関するものです。歯科医院が口腔管理連携加算を算定できるという意味ではありません。

一方で、病院が実績を確認する際には、紹介日、診療情報提供の内容、歯科訪問診療の実施日、連携先名などの確認が必要になります。歯科医院側も、自院の診療録や連携記録で後から照合できるよう、病院名と患者紹介の経路を整理しておくと対応しやすくなります。

歯科医院が病院と確認すること

口腔管理連携加算への対応では、算定要件を読むだけでは足りません。連携が実際に動くように、依頼方法、受け入れ条件、記録の残し方を病院と確認することが重要です。

依頼方法を文書でそろえる

病院側の施設基準には、歯科訪問診療を依頼する際の方法等について文書により提供を受けていることが含まれます。歯科医院側では、依頼先メール、電話番号、受付時間、必要書類、緊急時の扱い、訪問可能な曜日や地域を明文化しておくと、病院側も運用に落とし込みやすくなります。

特に、診療状況を示す文書が添えられること、患者同意が前提になることは、受付時に確認したい項目です。口腔内の問題だけでなく、入院中の全身状態、感染対策、移動可否、服薬、食形態なども訪問判断に関係します。

訪問診療の受け入れ条件を決める

資料上、口腔管理連携加算は入院中に歯科診療が行われた場合を想定しています。歯科医院では、病院内で対応できる処置、持参機材、診療時間、歯科衛生士の同行可否、会計・請求の流れを事前に決めておく必要があります。

すべての依頼を受けられるとは限らないため、対象外となるケースも病院と共有しておくと、患者紹介後の行き違いを減らせます。たとえば、全身状態が不安定な場合や、病棟側の感染対策上の制限がある場合は、まず情報確認が必要です。

実績確認に使う記録を残す

病院側では、連携体制や過去1年間の実績が施設基準に関係します。歯科医院側も、訪問診療の依頼元、紹介文書の受領、診療実施日、診療内容、病院への返書や情報共有の有無を確認できる形で残しておくと、後日の問い合わせに対応しやすくなります。

ただし、具体的な様式やシステム運用は資料上すべて決められているわけではありません。実際の管理方法は、連携先病院の地域連携室や医事課、利用する電子カルテ・レセコンの仕様に合わせて調整します。

6月1日施行後の注意点

令和8年度診療報酬改定は2026年6月1日施行です。施行直後は、病院側の届出、疑義照会、院内掲示やウェブ掲載、歯科医院との文書整備が並行して動くため、一次資料に戻って確認する体制が必要です。

届出や疑義照会は病院所在地の地方厚生局ルールを確認する

地方厚生局の案内では、令和8年6月1日から算定するための届出期限や、疑義照会前に告示・通知・疑義解釈を確認することが示されています。歯科医院側が直接届け出る項目ではない場合でも、連携先の病院から資料提供や運用確認を依頼されることがあります。

疑義照会は改定時期に集中し、回答まで時間を要する可能性があります。病院から質問を受けた場合も、口頭の解釈だけで進めず、厚生労働省の改定ページ、疑義解釈、地方厚生局の案内を照合するのが安全です。

患者説明は医科治療上の必要性と分けて伝える

患者には、入院中の口腔状態が医科治療に影響する場合に、病院から連携歯科医療機関へ紹介され、入院中に歯科診療を受ける流れがあると説明します。制度名だけを伝えるより、なぜ歯科受診が必要か、どの情報が病院から歯科医院へ共有されるかを具体的に説明する方が理解されやすくなります。

歯科医院側では、患者本人や家族から問い合わせがあった場合に、病院からの紹介文書と同意の流れを確認してから対応する、という院内ルールを決めておくと混乱を避けられます。

よくある質問

歯科医院が600点を算定できますか

いいえ。厚生労働省資料上、口腔管理連携加算は、医科点数表により診療報酬を算定する保険医療機関が、歯科医療機関と連携して入院患者の歯科診療につなげた場合の評価です。歯科医院は連携先として実務に関わります。

連携先として何を準備すべきですか

病院からの依頼方法、必要な診療情報、訪問可能な曜日・地域、緊急時対応、返書や情報共有の方法、実績確認に使う記録を整理します。病院側の施設基準には依頼方法等の文書提供が関係するため、連携先ごとに文書でそろえることが重要です。

疑義解釈その7の要点は何ですか

口腔管理連携加算の施設基準にある実績3件以上について、B009診療情報提供料1および歯科医療機関連携加算1が包括される入院料の病棟でも、歯科医療機関への診療情報提供を行った実績件数を含められると示された点です。

出典

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
  • 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その7)」
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 6.入院(共通事項)」
  • 東海北陸厚生局「令和8年度診療報酬改定」
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