業界情報

PMDA歯科回収、院内ロット確認の手順

Selectdays CS担当者

PMDAの2026年度クラスII医療機器回収一覧で、2026年7月に歯科現場に関係し得る製品が複数確認できます。歯科医院がまず見るべきなのは、製品名だけではなく、対象ロット、GTIN、院内在庫、使用履歴、メーカー・販売店からの通知です。

今回のポイントは、2026年7月10日掲載の歯科用陶材「セラビアンZR」と、2026年7月3日掲載で2026年7月13日に対象ロット等の訂正が記録された炭酸ガスレーザ「ジーシー ガスレーザー」です。手術用手袋など、歯科診療所で在庫確認の対象になり得る消耗品も一覧にあります。

この記事では、PMDAの一覧を歯科医院・歯科技工所の確認順に置き換え、医療安全担当、材料発注担当、技工担当がすぐ確認できる形で整理します。

3行要約

  • PMDAの2026年度クラスII医療機器回収一覧に、2026年7月の歯科関連製品が掲載されています。
  • 一覧に製品名があるだけでは自院対象とは限らず、対象ロット、GTIN、回収概要、メーカー通知の確認が必要です。
  • 材料棚、技工室、レーザー機器台帳、手袋在庫、納品書、使用履歴を担当者別に照合しましょう。

PMDA歯科回収情報で確認された主な製品

今回のPMDA歯科回収情報は、歯科材料、歯科用レーザー、診療消耗品を分けて確認すると見落としにくくなります。特に、補綴物の作製に使う材料と、診療室に置く特定保守管理医療機器では、確認すべき記録が違います。

歯科用陶材は技工所と院内技工の両方で見る

PMDAの2026年度クラスII一覧には、2026年7月10日掲載として、一般名「歯科用陶材」、販売名「セラビアンZR」、製造販売業者「クラレノリタケデンタル株式会社」が載っています。

歯科用陶材は、医院の材料棚だけでなく、院内技工室や外注先の歯科技工所で管理されていることがあります。歯科医院側では、材料商からの納品書、技工指示書、外注先への確認記録を合わせて見る必要があります。

ジーシー ガスレーザーは機器台帳と保守記録を見る

同じPMDA一覧には、2026年7月3日掲載として、一般名「炭酸ガスレーザ」、販売名「ジーシー ガスレーザー」、製造販売業者「株式会社ジーシー」が載っています。備考欄には、2026年7月13日に「対象ロット、数量及び出荷時期」と「GTIN及び該当ロット」が訂正されたことも記録されています。

ジーシーの製品仕様では、ジーシー ガスレーザーは歯科・口腔外科疾患に対する軟組織の切開、止血、凝固、蒸散に用いる炭酸ガスレーザで、高度管理医療機器・特定保守管理医療機器とされています。対象確認は、診療室の機器台帳、購入時期、シリアルやロット、保守点検記録、販売店からの案内を合わせて行います。

手術用手袋などの消耗品も歯科医院の在庫対象になり得る

2026年7月7日掲載の一覧には、非天然ゴム製手術用手袋「センシタッチ合成ゴム製手術用手袋」もあります。歯科用に限定された製品ではありませんが、外科処置や感染対策用品として院内在庫がある場合は、同じようにロットを確認します。

消耗品は診療室、滅菌室、予備在庫、訪問診療用バッグなどに分散しやすいため、発注担当だけでなく、実際に棚を管理するスタッフにも確認を依頼するのが現実的です。

クラスII回収の意味と歯科医院の読み方

クラスIIという表記は、危険性を過度に大きく見るためのものではなく、確認の優先度を決めるための分類として読むのが実務的です。

PMDAのクラスIIは健康被害の可能性で分類される

PMDAは、回収される製品による健康への危険性の程度でクラスI、II、IIIを割り当てると説明しています。クラスIIは、一時的または医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性がある状況、または重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況を指します。

したがって、クラスIIだから直ちに全患者へ同じ説明が必要と決めつけるのではなく、対象ロット、使用有無、回収概要の健康被害欄、製造販売業者の案内を確認して判断します。

回収、改修、患者モニタリングは同じ意味ではない

PMDAは、医療機器を動かさず修理・調整などを行う場合を「改修」、患者から摘出せず経過を観察する場合を「患者モニタリング」と区別しています。回収概要にどの表現が使われているかで、医院の動き方は変わります。

材料であれば未使用在庫の隔離、機器であればメーカー点検や改修、既使用品であれば患者対応の要否確認というように、製品の性質に応じて確認先を分けます。

歯科医院で最初に見る確認順

  • PMDAの2026年度クラスII一覧で販売名、一般名、製造販売業者、掲載日、備考欄を確認する。
  • 販売名リンクの回収概要で、対象ロット、数量、出荷時期、回収理由、健康被害欄、連絡先を確認する。
  • GTIN・ロットCSVがある場合は、納品書や現物表示と照合する。
  • 院内在庫、技工室、訪問診療用バッグ、処置用カート、外注技工所を分けて確認する。
  • 該当可能性がある場合は、使用を一時停止するか、メーカー・販売店の指示を確認する。
  • 確認結果、確認日、担当者、連絡先、回答内容を医療安全記録として残す。

材料は納品書、現物、技工履歴をセットで見る

歯科用陶材のような材料は、現物のラベルだけでなく、納品書、材料台帳、技工指示書、外注先の使用材料記録を照合します。対象ロットが院内にない場合でも、外注先で使用している可能性があれば確認依頼を出すと安全です。

機器は型番、製造番号、保守点検記録を確認する

レーザーなどの機器は、購入時期だけでは対象判定ができないことがあります。機器台帳、製造番号、保守点検契約、販売店からの点検案内、メーカーからの通知をまとめて確認します。

消耗品は保管場所を洗い出す

手袋などの消耗品は、同じ製品が複数の棚や処置カートに分散していることがあります。中央在庫だけでなく、診療ユニット周辺、訪問診療バッグ、滅菌室、予備倉庫も確認対象にします。

患者対応で断定しないための注意点

患者説明の要否は、製品名だけでは決められません。対象ロットが院内にあったか、患者に使用したか、回収概要がどの健康被害可能性を示しているか、製造販売業者がどの対応を求めているかを見て判断します。

一覧だけで健康被害を判断しない

PMDAの一覧は入口です。対象ロット、回収理由、危惧される健康被害、連絡先などは販売名リンク先の回収概要で確認する必要があります。ブラウズで詳細を開けない場合も、PMDAページや製造販売業者へ直接確認する運用にします。

院内共有は「対象外」も記録する

確認した結果、対象ロットが院内にない場合でも、確認日、確認した場所、担当者、参照したPMDA番号を残しておくと、後日の問い合わせや監査時に説明しやすくなります。

PMDA歯科回収情報の院内チェックリスト

  • 医療安全担当: PMDA一覧の番号、掲載日、販売名、製造販売業者、備考欄を記録する。
  • 材料発注担当: 納品書、発注履歴、現物ラベル、対象ロットを照合する。
  • 技工担当: 院内技工室と外注先に、対象材料の保有・使用有無を確認する。
  • 診療機器担当: レーザーなどの機器台帳、製造番号、保守点検記録、販売店通知を確認する。
  • 感染対策担当: 手袋など消耗品の保管場所を洗い出し、箱単位でロットを確認する。
  • 院長または管理者: 該当時の使用停止、メーカー連絡、患者対応要否、記録保存の方針を決める。

院内共有文例

院内では、次のように短く共有すると確認漏れを防ぎやすくなります。「PMDAの2026年度クラスII医療機器回収一覧に歯科関連製品が掲載されています。材料棚、技工室、レーザー機器台帳、手袋在庫を確認し、対象ロットの有無を本日中に医療安全担当へ報告してください。」

次に確認すべき資料

今回の確認は、PMDA一覧で終わりではありません。販売名リンク先の回収概要、GTIN・ロットCSV、メーカー・販売店の通知、院内台帳を順番に確認することで、自院が対象かを判断できます。

PMDAメディナビも確認導線に入れる

PMDAは、医療機器のクラスI、クラスII回収情報をPMDAメディナビで電子メール配信していると説明しています。日々の確認負担を減らすには、医療安全担当の受信導線にPMDAメディナビを入れることも検討できます。

メーカー確認の質問は具体化する

メーカーや販売店へ問い合わせる際は、「販売名」「PMDA番号」「対象ロット」「院内の保有数」「既使用の有無」「使用停止・返送・改修の要否」「患者説明の要否」をまとめて聞くと、回答を院内記録に残しやすくなります。

FAQ

PMDA一覧に製品名があれば、すぐ使用を止めるべきですか

まず対象ロットと回収概要を確認してください。該当可能性がある場合は、メーカー・販売店の指示が確認できるまで使用を保留する運用が現実的です。対象外ロットまで一律に断定する必要はありません。

患者へ説明が必要かはどこで判断しますか

対象ロットを実際に使用したか、回収概要の健康被害欄が何を示しているか、製造販売業者がどの対応を求めているかで判断します。製品名だけで一律に患者説明要否を決めないでください。

外注技工所に確認する必要はありますか

歯科用陶材など、技工所側で保管・使用される材料は確認対象になり得ます。医院側で対象ロットが見つからなくても、外注先の使用材料記録を確認してもらうと安全です。

出典

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Selectdays カスタマーサクセス担当

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